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ピンク色の手術室はなぜ生まれたか

「脱線寄道」が顧客の本音を引き出す

2014年8月18日(月)

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 トヨタ自動車がピンク色のクラウン“ReBORN PINK”を1カ月だけ販売し、話題になったのは、ほぼ1年前、2013年9月のことだった。その少し前に私はもっと印象深いショッキングピンクを見た。読者の皆様にもご覧いただこう。

3次元シミュレータで描いたピンクの手術室

 手術室の壁がピンク色になっている。この手術室を病院に収めた会社は年商を7年間で6倍に伸ばしたという。ピンクの手術室が飛ぶように売れたということだろうか。まさか。

 この画像はその会社の施設で見せてもらった。業績を伸ばしている理由を聞きたいと申し入れたところ、湯島天満宮の近くにある「Mashup studio(マッシュアップスタジオ)」に案内された。スタジオといっても外観はやや古びた、ごく普通のビルだ。ビルの外側や前には杉のデッキやベンチがあり、なんとなく休憩所のようでもある。

Mashup studio(マッシュアップスタジオ)の外観

 Mashup studioで我々を迎えてくれたイケメンのプレゼンター、いたずらっ子のような顔をして面白そうに私たちの反応を見ている。こちらがピンク色の手術室にあっけに取られていると、彼からの質問がきた。

 「一般的な手術室は何色をしているかご存知ですか」

 手術室に決まった色などあるのだろうか。筆者は過去、2回ほど手術室に入った経験があるが、壁の色などまったく覚えていない。手術室が舞台のテレビドラマがあったが、さて何色だったか。そんなことを思っていると答えが来た。

 「普通は緑色です」

 緑色なのか。なぜだろう。私の疑問を読み取ったかのようにプレゼンターの話が続く。

 「緑がよく使われるのは赤の反対色だからです。手術をこなす医師は血を見ています。ふと壁を見たとき、白い壁ですと残像がいつまでも残ります。壁が緑なら残像は補正されるのです」

 つまり、緑の壁なら血の残像が見えていないかのように脳が補正してしまう。医学的見地から言えば、見えないわけではなく、「見えないようになってしまう」ということだ。

 なるほど、と感心したが、それではなぜ、ピンクにしなければならないのか。画面に目を戻すと、先ほどのピンクの手術室の壁が今度は緑色に変わっている。

緑に塗られた手術室

 ピンクの手術室を見た直後のせいか、病院らしいとはいえ、なんとなく殺風景でいささか不穏な雰囲気もある。プレゼンターの話は続く。

 「先ほどのピンク色はある産婦人科の医者が自ら選んだものです。可愛い赤ちゃんが生まれてくる明るく暖かい未来を感じますよね」

 かつては手術を受ける場合、病室で麻酔をかけられてから手術室に運ばれていた。ところが昨今、患者自身が歩いて手術室まで来て、そこで麻酔をかけてもらうことが多くなってきた。不安を抱えて手術室に入ったとき、不穏な感じを受けたら動揺するかもしれない。だからといって本当にピンク色にしたのだろうか。

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「ピンク色の手術室はなぜ生まれたか」の著者

金巻 龍一

金巻 龍一(かねまき・りゅういち)

GCA マネージングディレクター

M&Aアドバイザリーの一環として、日本企業のグローバル化と成長戦略を「事業統合シナジーの創出」という観点から支援する。慶應義塾大学特別招聘教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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