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余裕を失いつつある基礎研究者たち

【最終回】後塵

2014年8月7日(木)

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 STAP細胞はあるのか、ないのか。7月、2台のビデオカメラが監視する理化学研究所CDB(発生・再生科学総合研究センター)の実験室で、小保方晴子が参加する検証実験の準備が整った。

 しかし、その有無がどうであれ、STAP細胞は数ある基礎研究の一つ。患者の役に立つ医療という本来の目的を考えれば、日本の研究にははるかに多くの課題が存在する。

(写真=上:Bloomberg via Getty Images)

 「理研の倫理観にもう耐えられない」「まだ始まっていない患者さんの治療については中止も含めて検討いたします」──。

 小保方の実験参加が決まるのと時期を合わせて、理研のプロジェクトリーダー、高橋政代がツイッターに投稿したつぶやき。直後に発言を撤回したが、iPS細胞による網膜治療で世界初の臨床研究を進める高橋の「中止宣言」に、世間は一時騒然とした。

 「あれは、恐らく高橋さんの本音だろう」

 細胞分野で国内トップ級のある研究者はこう推測する。“本音”と言っても、STAP細胞の不正を巡る理研の対応に問題を提起した、という高橋の説明を額面通りに受け取ったわけではない。

 「彼女の研究は、国の期待を一身に背負っている。しかも、iPS細胞由来の網膜を移植したところで、大した効果が出ない可能性もある。あれだけの重圧がかかれば、尻込みするのも理解できる」。研究者の見立てはこうだ。

 人工関節を補助する骨や、角膜は早ければ2008年、中枢神経は2010年から実用化する──。

 2002年春、神戸市内のホテルで開かれたバイオ産業関連のカンファレンスは熱気に包まれていた。大手製薬・バイオ企業やベンチャーが、相次いで再生医療製品の事業化計画を公表。「神戸医療産業都市構想」をぶち上げて企業誘致を進めていた神戸市や、理研CDBからも次々と幹部が登壇した。

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「シリーズ検証 STAP細胞、失墜の連鎖」のバックナンバー

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「余裕を失いつつある基礎研究者たち」の著者

林 英樹

林 英樹(はやし・えいき)

日経ビジネス記者

大阪生まれ。神戸大学法学部卒業後、全国紙の社会部記者として京都・大阪で事件を取材。2009年末に日本経済新聞社に入り、経済部で中央省庁担当、企業報道部でメディア・ネット、素材・化学業界などを担当。14年3月から日経BP社(日経ビジネス編集部)に出向し、製造業全般を取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

田中 深一郎

田中 深一郎(たなか・しんいちろう)

日経ビジネス記者

日経新聞科学技術部、証券部を経て、2012年4月より日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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