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レアアースを使わない日立の高性能モーター

中国に依存せずコストも削減

2014年8月12日(火)

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 ファストフード大手のマクドナルド向けにチキンナゲットを供給する中国の上海福喜食品が、使用期限切れの鶏肉を使用していた問題の広がりは、世界の外食産業がいかに中国に依存しているかを、はからずも白日のもとにさらす結果になった。しかし、鶏肉の調達先はタイやブラジルに切り替えることができても、なかなか中国から調達先を切り替えられないものもある。それがレアアース(希土類元素)だ。

 中国がレアアースの対日輸出を全面的に差し止めたという報道が駆け巡ったのは、いまから4年前の2010年9月。折しも、尖閣諸島付近で海上保安庁の巡視船と中国籍の漁船が衝突し、石垣海上保安部が公務執行妨害の疑いで中国籍の漁船船長を逮捕してから約2週間後のことだった。日本はその後、中国人船長の釈放を発表、11月頃になってようやく、レアアースの通関業務は再開された。

現在は高騰前の価格に戻っているが…

 しかしその後も、2011年に中国が輸出関税を引き上げた影響などもあり、高性能磁石の製造に使われるレアアースのジスプロシウムが一時1キログラムあたり3000ドルを超え、それ以前の6~7倍に高騰するなど、レアアースを巡る混乱は続いた。その後日本は、レアアースの使用量を減らす技術の開発や、リサイクルの推進、代替調達先の開拓などを進め、2013年になってジスプロシウムの価格は1キログラムあたり500ドル程度と、高騰前の水準に戻っている。しかし、中国と日本の関係が冷え込んでいる現在、何かきっかけがあれば、再び中国がレアアースの対日輸出を差し止める可能性は否定できない。

 数あるレアアースの中でも、先ほどから名前が出ているジスプロシウムがなぜ大事か。それは、現在のEV(電気自動車)やHEV(ハイブリッド車)のモーターには例外なく、ジスプロシウムが使われているからだ。EVやHEVに使われているモーターは、永久磁石式モーターというタイプで、効率が高いのが特徴だ。その高い効率を実現するためには磁石の性能を高める必要があり、現在は、ネオジム・鉄・ホウ素を主成分とする高性能磁石(以下ネオジム磁石)が使われている。

ホンダが「アコード ハイブリッド」に搭載しているモーター。ローターに内蔵している磁石に添加するレアアースの量を減らすため、従来は磁石全体に分布していたレアアースを、表面に重点的に分布させるようにした。

 ネオジム磁石は、今ある永久磁石の中で最も強力な磁気性能を備えた磁石だが、高温下では磁力が低下するという難点がある。使用環境が高温になる自動車では、このことが大きな問題だった。しかし、ジスプロシウムをネオジム磁石に添加すると、高温での磁力の低下が抑えられることが分かり、ネオジム磁石のEVやHEVへの応用が可能になった。ジスプロシウムが現代のEVやHEVにとって欠かせないレアアースなのは、ここに理由がある。

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「レアアースを使わない日立の高性能モーター」の著者

鶴原 吉郎

鶴原 吉郎(つるはら・よしろう)

オートインサイト代表

1985年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社、2004年に自動車技術の専門情報誌の創刊を担当。編集長として約10年にわたって、同誌の編集に従事。2014年4月に独立、オートインサイトを設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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