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食肉偽装で中国に漂う無力感

モラルの低下をモノは救えるか

2014年8月7日(木)

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上海福喜事件が発覚して最初の日曜日。上海都心部のフードコートは食事をする人たちでごった返していた

 マクドナルドやKFCに肉を卸していた食肉業者が、期限切れの鶏肉や床に落ちた肉などを納入していたいわゆる「上海福喜事件」。上海に生活し日々ものを食べている私にとってももちろん人ごとではなく、業者らのモラルの低さに憤りを感じる。ただ一方で、中国が一貫してモラルが低かったのかといえば、ほんの数年前までは、事情がまるで違っていたとも思うのである。そこで今回は、ここまでモラルの低下を招いてしまった背景について書いてみたい。

 かつて私には、友人や知人が上海に来ると、必ずと言っていいほど連れて行くレストランが2軒あった。1軒は上海の家庭料理、もう1軒は広東料理を出す店。どちらも店構えはお世辞にも立派とは言えず、夕食時など近所の住人達がパジャマを着たままサンダルをつっかけて鍋をぶら下げ、晩ご飯を買いに来るようなローカル色あふれる店で、気心の知れた友人でも、「え、ここ?」と一瞬ひるむような所だった。

 しかし料理の味に間違いはなく、例えば上海料理の店ではキュウリをごま油とニンニクであえた前菜からして「ただのキュウリのぶつ切りが、なんでこんなにウマいんだ!」と友人達に歓声を上げさせたものだ。冬のタケノコ、ナズナ、ヤマイモ、キクラゲ、豆苗など旬の野菜と豚肉や鶏肉を、シンプルに炒めたり揚げたり煮たりしておいしい一皿に仕上げてくれる。値段は驚くほど安く、私が足繁く通っていた2003~06年ごろの値段は1皿10元程度(約160円)。2人なら30元(500円)、10人で行ってビールを飲み、たらふく食べて200元(3200円)でおつりが来てしまったことがあるほど、物価が安かった当時の上海でも恐縮してしまうような安さだった。

端数をおまけできた余裕

 広東料理の店は、本場の香港では地元の人たちが食事にも使うし喫茶店としても使う、メニューにもワンタンメンがあるかと思えばポークステーキやボルシチもあるという、強いて日本風にいうならファミレスのような形態の店だった。私がひいきにしていた上海にあるその店も経営者は香港人で、皮をパリパリに焼き上げた自家製のチャーシューがウリ。さらにこのチャーシューを使ったチャーハンがおいしかった。ネルの袋に茶葉を入れて濃く煮出した香港風ミルクティーとセットで頼んで20元(約320円)と、上海にいながら香港の本場の味を気軽に安く楽しむことができる貴重な店だった。

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「食肉偽装で中国に漂う無力感」の著者

山田 泰司

山田 泰司(やまだ・やすじ)

著述業/EMSOne編集長

1992~2000年香港で邦字紙記者。2001年の上海在住後は、中国国営雑誌「美化生活」編集記者、月刊誌「CHAI」編集長などを経てフリーに。2010年からは、「EMSOne」編集長も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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