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「ニッポン」を世界に営業する男

インバウンド事業で年率250%成長するベンチャー

2014年8月12日(火)

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 今年6月の訪日外国人数は前年同月比17.3%増の約106万人。上半期の累計は626万人となり、過去最高だった2013年の記録を130万人余り上回った。円安の追い風を受けて訪日客の国内消費額も増加。今後、観光業を世界に開いていくことは日本の経済成長のカギになると言えるだろう。

 この「訪日観光」を専門とし、急速に成長しているスタートアップがフリープラス。代表を務めるのが、須田健太郎だ。

フリープラス代表取締役の須田健太郎。(撮影:鮫島亜希子)

起業を決めて、大学を中退

 まだ10年も遡らない、2005年の初め。大学2年生だった須田健太郎は、大阪市淀川区で成人の日を迎えていた。成人式で久しぶりに会った友人たちとひとしきり笑い、過去を懐かしみ、楽しい時間を過ごした。どこにでもあるようなありふれた光景。

 だが、久しぶりにお腹を抱えて笑い、これ以上ないと思えるような時間を過ごした須田は、その日の帰宅後、ベッドでふと我に返る。

 「次にこんな楽しいときがいつくるのだろう」

 そう思い始めると、次第に焦燥感にかられ始めた。

「成人式は一度きり。同じ日はもう二度と来ない。でも、そう思いながら短い人生を“何となく”過ごし続けていってよいのだろうか。俺は人生をかけて何を残せるのか」

 急にそんな思いにとらわれた須田は、その日なかなか眠りに就くことができなかったという。

 当時の須田といえば、「大学の授業にはろくに行かず、ファストフード店でバイトをしているような“普通の大学生”」。先輩を見れば「就活が大変」と嘆き、電車に乗れば、疲れ切ったサラリーマンを見る。そんな未来に興味もなく、「夢もなければ、将来に対して特に期待もしていなかった」。

 それでも、須田にその日「スイッチ」が入ったことは間違いなかった。「世界レベルの偉業」を成し遂げる方法はないのだろうか――。

 悶々と考えながら過ごしていたある日、テレビをつけると、「近鉄バッファローズ買収」に関するニュース映像が流れていた。須田は、そこに映ったライブドア社長(当時)の堀江貴文氏と楽天・三木谷浩史社長の姿に目を奪われる。

 若く、エネルギッシュなオーラを放つ2人を見て、「“おっさんの仕事”と思っていた『社長』のイメージが変わった」。すぐにビジネス本を読みあさり、「勇気と行動力さえあれば、金や地位がなくても社長になれるのかもしれない」と思った。強い組織を作れば、世界レベルの偉業に手が届くかもしれない。

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「「ニッポン」を世界に営業する男」の著者

宮本 恵理子

宮本 恵理子(みやもと・えりこ)

ノンフィクションライター、編集者

「日経WOMAN」「日経EW」「日経ヘルス」の編集部に所属。2009年末にフリーランスとして活動を始め、主に「働き方」「生き方」「夫婦・家族関係」のテーマで人物インタビューを中心に執筆する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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