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三木谷浩史が描く ECの未来

楽天・三木谷浩史会長兼社長独占インタビュー

2014年8月11日(月)

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 インターネットが普及期に入りつつあった1997年2月、東京都港区にある愛宕神社近くのオフィスビルの一室でエム・ディー・エム(MDM)という会社がひっそりと生まれた。「マジカル・デジタル・マーケット」。その会社はその年の5月、まるで魔法のようにデジタルショップを開けるEC(電子商取引)モール「楽天市場」を世に送り出した。楽天市場の初月の流通総額は32万円足らず。だが、それから17年が経ち、同社の流通総額は1兆7000億円を超えるまでに成長した。

 日本のEC市場の歴史を紐解く上で、楽天の存在は欠かせない。銀行や証券会社、保険、クレジットカード事業など幅広く事業を拡大し、ポイントを核とした「楽天経済圏」と呼ぶ独自のビジネスモデルを作ったのは、現会長兼社長の三木谷浩史氏だ。同社は楽天市場の海外展開を進め、最近ではデジタル事業への投資も活発化させている。それに伴い、優秀な人材が各界から集う今もなお、三木谷氏は楽天市場の指揮権だけは他の役員に渡さない。あくまでも事業の中核として据え、自らが陣頭指揮を執る。

 いま、EC市場に様々な新興勢力が押し寄せている。スマートフォンアプリでCtoC(消費者対消費者)市場に参入する企業もあれば、リアル店舗からEC市場へと攻勢をかける企業もある。黎明期から市場の中心に居続けてきた三木谷氏は今、この変革の波をどう見ているのか。楽天の戦略とともに話を聞いた。(原 隆)

楽天の三木谷浩史会長兼社長(写真:菅野 勝男、以下同じ)

アマゾンとともに長らく2強時代を築いてきた。今、EC市場にスマホで売り買いするECモールが勃興しているがどう見ているか。

 ある程度までうまくいくと見ています。消費市場は120兆円あります。当たり前だけど、楽天で全て取るわけではない。特化された領域でうまく行くのではないでしょうか。楽天がシンガポールで出資している企業にカルーセルという会社がありますが、まさにそのスマホを用いて個人同士が取り引きするECの原型となるサービスを展開しています。山田くんがやっている「メルカリ」なんかもそうですね。(注:山田くん=山田進太郎氏・元楽天出身でウノウを創業。米ジンガにウノウを売却後、フリマアプリ「mercari(メルカリ)」を昨年7月に創業した)

 新しい商品ばかりを集めたECであったり、ハイファッションに特化したECだったり、今後、多角化していくのは間違いない。それは「大乱戦」というよりは、「多様化」だと見ています。楽天はその中で、一定のマーケットシェアを握っていくだけ。楽天がこの先、60%、70%のシェアを取ることにはならないでしょう。なぜならば、人間には多様な生活形態があるからです。

 言い方は悪いかもしれないが、もはや楽天もECだけではない。メルカリだろうがアマゾンだろうが、どこで購入してくれても楽天カードで買ってくれれば手数料が入ります。極論を言えば、僕がこれまでやってきたことというのはそういうことです。

 これから、人間のすべての生活がそのままインターネットに乗ってくる時代を迎えます。リアルの世界を考えてみてください。三越伊勢丹のファンであっても、たまに高島屋に行くでしょう?それと同じように、楽天もまたすべてを抱え込むことなんて、どだい無理な話。そもそも、したいとも思っていません。

 楽天はあくまでも信頼の置けるショッピングができる場所であり続けたいし、質の悪い店舗には入ってほしくない。うちが手数料を下げたくないのは、そういう理由です。僕でもね、楽天市場で見つからない商品があるんです。

例えばどういう商品?

 そうですね、個人的な例で言えば超高性能なデジタル顕微鏡。楽天市場にはなくても、ネットを探せばあるんですよ。つまり、全部が全部、画一的になるという環境はつまらない。様々なお店があるから楽しいわけです。今、リアルの小売店が「オムニチャネル」を打ち出してきていますが、それもまたうまくいくと思います。

 (こうした新興勢力に対し)楽天は相対的に見れば競争環境にあります。ですが、ほかの企業がどうなのかというのはあまり気にしていない。全然、気にしていないかというと嘘だけど(笑)。あんまり気にしていないというのが正直な感想です。

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「三木谷浩史が描く ECの未来」の著者

原 隆

原 隆(はら・たかし)

日経コンピュータ記者

宮崎県出身。お酒が好きです。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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