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電源ベストミックスとは何か?

ドイツの位置づけは将来の常識か

2014年8月25日(月)

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 今回は、いわゆる電源ベストミックスについて考察する。風力や太陽光のような「変動する主力(となっていく)電源」は、ベース、ミドル、ピークのどこに位置づけられるのだろうか。これから普及していく日本と主力に育っている欧州(ドイツ)を比較する。

基本計画でシェアアップ確約も、位置づけは不明確

 電力ベストミックスの決定が待たれて久しい。これがないと、民間設備投資は喚起されず、システム変更を伴うようなダイナミックなエネルギー変革が担保されないからだ。しかし、原発再稼働を巡る情勢が不透明であるとして、4月11日に閣議決定されたエネルギ-基本計画では数値を示せなかった。各電源の特徴と役割を整理し方向性にメリハリをつけるに終わった。そのなかでの焦点は、原発の再稼働容認と再エネの積極的な役割評価である。

 再エネは、「直前の基本計画に織り込まれたシェアをさらに上回る」との表現が挿入された。すなわち、2020年に3.45%、2030年に21%を上回るというものである。この数値織り込みに関しては、政府から激しい抵抗があったようだ。与党合意では「大きく上回る」で決着していたが、これが無視される形となった。

 基本計画で唯一掲載された図表には、24時間の需要量推移(ロードカーブ)、それを賄うために供給する電源について3つの分類(ベースロード、ミドル、ピーク)が示されている(資料1)。需要は変動するが、その変動に応じてミドルやピークの電源が稼働する。

資料1.電力需要に対応した電源構成(日本)
(出所)エネルギ-基本計画(2014年4月)

 再エネの役割はどうか。既存の大型水力は、流れ込み式はベース用、貯水式・揚水はピーク用として、ベストミックスの位置づけが定められている。地熱はベースである。

変動再エネはピーク電源? 負の需要?

 それでは、変動する再エネである風力、太陽光はどうか。同図では、需要曲線のすぐ下に、微かにへばりついている。究極のピーク電力のように見えるが、調整力を持たないので、それはありえない。変動するもの同士ということで准需要(負の需要)のようにも見える。そうであれば需要の誤差という扱いで、電源としての扱いをされていない。これから主要電源の一角を担おうとするものに対して過小評価だ。

 政府の思惑を反映していると考えるのは勘繰りであろうか。思惑ではなく、既存の固定観念にとらわれて「素直に」位置づけたのかもしれない。それはそれで、世界の常識からかけ離れており、問題である。

 先日、資源エネルギ-庁の担当者の解説を聞く機会があったが、「1.6%のシェアの再エネに当面多くは期待できない」との説明があった。これは、以前より政府や電力業界・経済団体が長年使ってきたフレーズだ。その間ドイツは、2000年の7%から2013年の24%までシェアを上げてきた訳だ。EU全体でも電力は2割である。

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「電源ベストミックスとは何か?」の著者

山家 公雄

山家 公雄(やまか・きみお)

エネルギー戦略研究所所長

日本政策投資銀行でエネルギー、環境などの融資・調査を担当。2009年からエネルギー戦略研究所で再生可能エネルギ-、スマートグリッドなどを研究。中立的なエネルギー・シンクタンクを心がけている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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