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五輪で東京の不動産は上がるか

「バスはダメ」の理由

2014年8月19日(火)

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 東京・湾岸地帯の高層マンションの住民の多くは、2020年の東京五輪開催が決まった瞬間、色めき立ったに違いない。「我が家のマンション価格が高騰するに違いない」と。

 だが、最初に結論を述べてしまっては元も子もないが、「湾岸マンションの不動産価格は期待が先行しているが、価格が高騰する根拠に乏しい」というのが私の見解だ。ここで言う「湾岸」は有明・晴海・勝どきの、橋を渡り運河を隔てたエリアを指す。

 東京五輪が湾岸エリアにもたらすインフラは、スポーツ施設とバス専用レーンである。東京五輪では鉄道が整備されるわけでもない。商業施設などの生活利便施設も整備には時間がかかるであろう。そんな湾岸エリアが、上昇した不動産価格を五輪後も維持し続けるだけの根拠は今のところ乏しい。

価格上昇に鉄道は不可欠

 特定エリアの不動産価格の上昇に大きく影響するのは「鉄道が通ること」である。バスでは価格は上がった試しがない。これは2008年に開業した日暮里舎人ライナーで説明がつく。

 日暮里舎人ライナー沿線は元々バス路線が走っていた。その上に定時運行可能な新交通システムが走ったことで、不動産価格が上がった。このことは、バスが鉄道に代われないことを証明している。

 今、中央区では湾岸エリアにバス高速輸送システム(BRT)の導入が計画されている。晴海からどこに向かうのかというと、残念なことに銀座である。居住者目線で考えると、大手町や丸の内、品川、新宿などの通勤エリアへアクセスできることが重要だ。銀座ではなく有楽町駅まで専用レーンができ、有楽町駅から山手線や有楽町線にアクセスできるのであれば、利便性が高まる。銀座が終点では中途半端と言わざるを得ない。

 次に「子供を取り巻く教育環境」という視点ではどうだろう。不動産コンサルタントの立場から言えば、湾岸(有明・晴海・勝どき)は、引っ越してでも子供を通わせたい学区か、というと疑問符が付く。

 では今後そうなるかというと正直、回答に窮する。不動産価格は年収と相関関係にあり、学区の「質」は親の年収による、というのもよく言われていることだ。

 当地のように運河を隔ててしまうと、不動産価格は一段と下がる。逆に運河を超えないエリアのほうが不動産価格が高く、必然的に良質な教育環境の学区であると考えられる。

 バスの本数がどの程度になるかなどは不明だが、今の計画を見る限り「山手線の駅への接続の有無」、「学区の質」という点から、湾岸の不動産価格が上昇を続ける理由は見つかりにくい。

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「五輪で東京の不動産は上がるか」の著者

沖有人

沖有人(おき・ゆうじん)

不動産コンサルタント

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、コンサルティング会社、不動産マーケティング会社を経て、1998年、アトラクターズ・ラボ(現スタイルアクト)を設立、代表取締役に就任。/

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師