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ゴールドマン・サックス元副会長 日本への提言

リーダーの要諦をロバート・カプラン教授に聞く(2)

2014年9月11日(木)

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 世界最高峰の経営大学院、ハーバードビジネススクールではリーダーシップをどのように教えているのか。「ハーバードのリーダーシップの授業」では、9月より教授との対談シリーズをスタートする。

 まず最初にご登場いただくのは、ゴールドマン・サックスの元副会長、ロバート・スティーブン・カプラン教授。同社在職中に、アジア・パシフィックのトップとして日本に5年間赴任したこともあり、日本への造詣も深い。現在、ハーバードでリーダーシップを教えるカプラン教授が、今年7月、『ハーバードの自分を知る技術 悩めるエリートたちの人生戦略ロードマップ』(阪急コミュニケーションズ)を上梓した。日本のメディアのインタビューを受けるのは今回が初めてという教授に、自分の人生のリーダーシップ、日本のリーダーシップについて聞いた。

(2014年6月23日、ハーバードビジネススクールにてインタビュー)

数多くの学生やエグゼクティブにリーダーシップを教えてきた。Robert Kaplan teaching in HBS Alumni Volunteer Leadership Conference, June 2013. Photo by Russ Campbell
ロバート・スティーブン・カプラン
Robert Steven Kaplan

ハーバードビジネススクール教授。専門はマネジメント。教鞭を執るかたわら、同校の対外関係担当部門の副学部長、ドレーパー・リチャーズ・カプラン財団の共同会長、インダバ・キャピタル・マネジメント社の創業者兼会長を務める。1983年から22年間に渡り、ゴールドマン・サックスで要職を務め、2002年から2005年まで、同社副会長。1990年から1994年まで、アジア・パシフィック・投資銀行部門のトップとして東京に駐在した。主な著書に『ハーバードの自分を知る技術 悩めるエリートたちの人生戦略ロードマップ』(阪急コミュニケーションズ)

リーダーシップとは何か

佐藤:ハーバードで先生は「真のリーダーシップ開発」「リーダーシップと企業倫理」など、リーダーシップの授業を数多く教えていらっしゃいます。先生の「リーダーシップ」の定義は何でしょうか?

佐藤智恵(聞き手)
1970年兵庫県生まれ。1992年東京大学教養学部卒業後、NHK入局。報道番組や音楽番組のディレクターとして7年間勤務した後、退局。2000年1月米コロンビア大学経営大学院留学、翌年5月MBA(経営学修士)取得。ボストンコンサルティンググループ、外資系テレビ局などを経て、2012年より作家/コンサルタントとして独立。2004年よりコロンビア大学経営大学院の入学面接官。ウェブサイト

カプラン:リーダーシップとは何か。まさにそのテーマで今、別の本を書いていて、2015年に出版する予定です。

 リーダーシップにはまず3つの要素が必要です。

 1つ目は信念を持つことです。自分がリーダーになったとして、自分の信念が何かわかりますか? たとえば自分が王様や女王様であったら、自分の信念は何で、国のために何をすべきだと思いますか? 信念を見出すことは結構難しいですよね。

 2つ目は行動することです。行動とは、“自分の意見を発言する”という簡単なものから、“会社全体の戦略を考える”という複雑なものまで様々です。行動しない人はリーダーになりえません。

 3つ目に付加価値をもたらすことです。信念を持ち、その信念をもとに行動して、その結果、周りの人に対して付加価値をもたらすことです。

佐藤:周りの人に対しての付加価値をもたらすとはどういう意味でしょうか?

カプラン:世のため人のためにならなければ、信念も行動も意味がないのです。私のリーダーシップの定義をあらためて申し上げれば、「リーダーシップとは、世界によりよい影響を与えること」です。顧客、部下、コミュニティー、社会などによいインパクトを与えること。それがリーダーシップの本質だと思います。人に付加価値を与えられなければ、リーダーとは言えないのですよ。

佐藤:肩書きにかかわらず、ということですよね。肩書きや権威をふりかざして、自分はリーダーだという人がいますが、自分の名誉と利益のために仕事をする人はリーダーではないですね。

カプラン:「リーダーシップとは、世界によりよい影響を与えること」というのはとてもシンプルですが、パワフルな定義だと思います。この定義に照らし合わせて、「自分は、そして、あの人は、リーダーとしての仕事をしているだろうか」と考えてみてください。リーダーになるために部下を持つ必要などありません。反対に、何千人も部下がいる職位にいるからといって、リーダーであるとは限らないのです。

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「ゴールドマン・サックス元副会長 日本への提言」の著者

佐藤 智恵

佐藤 智恵(さとう・ちえ)

作家/コラムニスト/コンサルタント

1992年東京大学教養学部卒。NHKにて番組ディレクターを務めた後、2000年1月米コロンビア大学経営大学院留学、翌年5月MBA取得。ボストンコンサルティング、外資系テレビ局などを経て2012年独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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