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いまどき「デザインがいちばん」と言っている会社は危ない

カー&プロダクトデザイナー/SWdesign代表 和田 智さん(3)

2014年9月19日(金)

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和田 智(わだ・さとし)
カー&プロダクトデザイナー、SWdesign代表取締役
1961年東京生まれ。武蔵野美術大学卒。84年日産自動車入社。シニアデザイナーとして、初代セフィーロ(88年)、初代プレセア (89年)、セフィーロワゴン(96年)などの量販車のデザインを担当。89~91年、英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート留学。日産勤務時代最後の作品として電気自動車ハイパーミニをデザイン。98年、アウディAG/アウディ・デザインへ移籍。シニアデザイナー兼クリエーティブマネジャーとして、A6、Q7、A5、A1、A7などの主力車種を担当。アウディのシンボルとも言えるシングルフレームグリルをデザインし、その後「世界でもっとも美しいクーペ」と評されるA5を担当、アウディブランド世界躍進に大きな貢献を果たす。2009年アウディから独立し、自身のデザインスタジオ「SWdesign 」を設立。独立後はカーデザインを中心に、ドイツでの経験を生かし「新しい時代のミニマルなものや暮らし」を提案している。2012年ISSEY MIYAKE WATCH 「W」を発表。
SWdesign TOKYO | HomepageSWdesign TOKYO | Twitter
人物写真:大槻純一、以下同

デザイン至上主義は一周遅れている

川島:この連載は、日本企業から生まれる商品デザインがあまりに貧困ではないか、という私の勝手な思いから始まったものです。日本の経営者よ、アップルやアウディのようにデザインを経営の根幹に据えよ!と大声で訴えたくて……。

和田:いや、いまさら「デザインを経営の中心に」なんて言っている経営者や会社は遅れてます。危ない、とすら言えます。

川島:え?  

和田:考えてみてください。それまでデザインを一顧だにしなかった経営者が、いきなり「これからはデザイン経営だ」と息巻いていたら、たいがいの場合、その経営者は、この連載で散々揶揄してきた「新しくて奇抜なデザイン」が欲しい、って言ってるだけなんですよ。その意味において「新しいデザイン」という発想そのものが、もはや新しくない。

川島:……なるほど。

和田:だから、僕はあえて「デザイン経営の時代はもはや終わった」と言うことにしているのです。デザインという言葉を経営とセットでなるべく使いたくない。経営に今必要なのは「デザイン」以前に「センス」なのです。

川島:和田さんが日本の自動車会社に入ってデザイナーとしてスタートしたのは80年代前半でしたよね。当時はどうだったのですか?

和田:実は母校の武蔵野美術大学では、70年代終わりに、「新しい」ことよりも「本質」を見極めろ、何十年たっても色あせないデザインを目指せ、と教わったんです。美大の先生方は、この時点で「新しい」は古いよ、とメッセージを発していた。ところが、いざ社会に出てみると、デザイナーとして求められるのは真逆のことでした。

川島:とにかく新しいデザインをしろ、と。

和田:色褪せないどころか、目に留まる暇もないほどのスピードで、デザインをしろ、新製品をつくれ。それがデザイナーの使命でした。いまこの瞬間に市場で受ければいい。面白ければいい。そんな瞬間芸のようなデザインの商品が次々に登場しては消えていきました。クルマのデザインも例外じゃなかった。

川島:そんな中で、初代セフィーロなどのデザインを手がけられたのですね。

和田:でも、大半のデザイナーは、何を軸にデザインすればいいのかわからなくなる。あっという間に疲弊してしまう。80年代という時代は、クルマのみならずさまざまな商品で「新しい」を全面に押し出した差別化戦略が中心となりました。大量生産・大量消費の歯車が高速で回っていた時代でした。それが機能し良い作品も生まれました。でも、バブル崩壊後、そんなものづくり、そんなデザイン手法は企業の合理化と共に音を立てて崩れてしまいました。

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「いまどき「デザインがいちばん」と言っている会社は危ない」の著者

川島 蓉子

川島 蓉子(かわしま・ようこ)

ifs未来研究所所長

ファッションという視点から、さまざまな分野の企業のブランド作りなどのプロジェクトにかかわる。日経MJ、ブレーン、読売新聞などで連載を持つ。2013年から現職。多摩美術大学非常勤講師。Gマーク審査委員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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