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スーツ専業アパレルも苦戦が続く

専業アパレル受難の時代はまだ始まったばかり

2014年9月10日(水)

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 先日、老舗シャツメーカー大手のCHOYAが百貨店販路を同じ老舗シャツメーカー大手の山喜に事業譲渡したのち、会社清算が決定した件を記事で取り上げた。その際に、メンズスーツメーカー各社はどうなっているのだろうと気になった。シャツといえばスーツが付きものだからという安易な発想ではある。実は、大阪はかつて、大手メンズスーツメーカーの本社が集積された場所でもあった。今は見る影もないが。

 大阪市内の中心には大きな幹線道路が何本か走っている。御堂筋や堺筋、四ツ橋筋、長堀通という具合だ。大阪市内では南北に走る幹線道路を「筋」と呼び、東西に走る幹線道路を「通」と呼ぶ。だから御堂筋は南北に走っており、長堀通りは東西に走っている。その中の一つに谷町筋と呼ばれる「筋」がある。地下鉄谷町線はこの筋の下を走っており、駅でいうと谷町9丁目、谷町6丁目、谷町4丁目という駅がある。大阪ではこれらを略して「谷9」「谷6」「谷4」と呼ぶ。

 この谷町筋の谷町4丁目付近にかつては、老舗メンズスーツメーカー大手が集まっていた。谷町筋といえば、業界ではスーツアパレルのことを思い浮かべた人が多かった。

 かつての谷町筋に集まっていた大手メンズスーツメーカーの顔ぶれを見てみよう。メルボ紳士服、トレンザ、ジョイックスコーポレーション、大賀、ロンナーなどである。年配の方には懐かしい顔ぶれではないだろうか。筆者が業界新聞に入社した90年代後半には、これらのメーカーは百貨店への卸売りと、自社ブランド(ライセンス生産品も含む)の直営オンリーショップの拡大との2本柱で事業を展開していた。中級から高額価格帯商品の企画・生産を得意としていたため、低価格品が主流である大手GMS(総合スーパー)とは取引をしていなかった。

 これらの谷町アパレルが隆盛を極めていたのは、もう少し以前のことになり、90年代後半にはすでに陰りが出始めていた。その一番の理由は、青山商事やAOKI(アオキ)、はるやま商事、コナカといった紳士服量販店チェーンが急成長を遂げたからである。量販店チェーンが急成長を遂げたのはその低価格が消費者の支持を集めたからだ。90年代後半の谷町アパレルのスーツは最低でも店頭販売価格4万円弱だった。これでも量販店チェーン店に対抗して1万円前後は最低価格を下げていたのだが、それでも競争力は弱かった。

 そして90年代後半にはツープライススーツショップが市場に登場する。ツープライススーツショップの草分けはオンリーの「ザ・スーパースーツストア」である。99年に1号店が開店している。身長と体型別に分けられたサイズ分けというのは非常に斬新。さらにその価格体系も1万9000円と2万9000円の2種類という安さと分かりやすさが消費者にも業界関係者にも大きな衝撃を与えた。

 筆者ら業界新聞記者は、このツープライススーツショップが量販店チェーン各社に大きな打撃を与えるのではないかと考えていたが、2000年ごろから量販店チェーン各社がツープライススーツショップ業態を新たに開始した。オンリーの売上高は一貫して数十億円で100億円を越えないのだが、これは本来起爆剤になるはずだったツープライススーツショップという市場が、大手量販店チェーンに奪われてしまったからではないかと思う。

 青山商事の「ザ・スーツカンパニー」、はるやま商事の「パーフェクトスーツファクトリー」、コナカの「スーツセレクト」が次々と参入した。アオキは当初「スーツダイレクト」というツープライス業態を開始したが、これを廃止して「オリヒカ」に改めた。「オリヒカ」は1万9000円のスーツも扱うがツープライスではなく、2万9000円以上の価格帯のスーツも扱う。しかし、個人的にはツープライス業態の延長線上にあると見ている。

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「スーツ専業アパレルも苦戦が続く」の著者

南 充浩

南 充浩(みなみ・みつひろ)

フリーライター、広報アドバイザー

1970年生まれ。洋服店店長を経て繊維業界紙に記者として入社。その後、編集プロダクションや展示会主催業者などを経て独立。業界紙やウェブなどに記事を書きつつ、生地製造産地の広報を請け負う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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