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「美しい普通」を創りたい

カー&プロダクトデザイナー/SWdesign代表 和田 智さん(5)

2014年10月3日(金)

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和田 智(わだ・さとし)
カー&プロダクトデザイナー、SWdesign代表取締役
1961年東京生まれ。武蔵野美術大学卒。84年日産自動車入社。シニアデザイナーとして、初代セフィーロ(88年)、初代プレセア (89年)、セフィーロワゴン(96年)などの量販車のデザインを担当。89~91年、英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート留学。日産勤務時代最後の作品として電気自動車ハイパーミニをデザイン。98年、アウディAG/アウディ・デザインへ移籍。シニアデザイナー兼クリエーティブマネジャーとして、A6、Q7、A5、A1、A7などの主力車種を担当。アウディのシンボルとも言えるシングルフレームグリルをデザインし、その後「世界でもっとも美しいクーペ」と評されるA5を担当、アウディブランド世界躍進に大きな貢献を果たす。2009年アウディから独立し、自身のデザインスタジオ「SWdesign 」を設立。独立後はカーデザインを中心に、ドイツでの経験を生かし「新しい時代のミニマルなものや暮らし」を提案している。2012年ISSEY MIYAKE WATCH 「W」を発表。
SWdesign TOKYO | HomepageSWdesign TOKYO | Twitter
人物写真:大槻純一、以下同

ジウジアーロのパンダにやられた大学1年

川島:和田さんが、目指す「デザイン」ってなんでしょう?

和田:「世界で最も美しい普通」です。

川島:美しい。そして、普通。……たとえば、どんな?

和田:僕が最初に出会った「美しい普通」は、1981年、『カースタイリング』誌で、ジョルジェット・ジウジアーロ特集でのこと。武蔵美の1年生でした。カーデザイン界の巨人であるジウジアーロのスゴさもよく知らなかったのですが、その特集に載っていた「フィアット・パンダ」のデザインに衝撃を受けた。

初代フィアット・パンダ(写真提供・フィアットクライスラージャパン)

 シンプルな直線と平面で構成されたボディ。30年以上前の作品ですが、今見ても、まったく古びることがない。「普通」でありながら「美しい」。これがプロダクトデザインの理想ではないでしょうか。僕をカーデザインの道に導いてくれたのが、まさにパンダの「美しい普通」なデザインだったのです。そう、ジウジアーロが作ったデザインの世界観が「美しい普通」のお手本です。

川島:パンダのデザイン、そういわれてみると、すごいですね。これみよがしの曲面もなければ、押し付けがましい主張もない。直線だけで構成されている。なのに、ただの箱じゃない。1度見たら忘れられない「かたち」がそこにある。クルマに詳しくない私でも、実感できます。時代を超えたデザインってこういうものを指すのですね。

和田:このシンプルな直線的デザインこそが、ジウジアーロが生み出した「新しさ」なのです。実はこのパンダの前に、誰もが知るカーデザインをジウジアーロは世に出しています。初代フォルクスワーゲン・ゴルフです。

フォルクスワーゲン・ゴルフ1(写真提供:ヤナセ)

川島:ゴルフもジウジアーロだったんですか! 小型2ボックスカーの元祖ですよね。デザインひとつでクルマ市場を作ってしまったというわけですね。

和田:そうです。ジウジアーロが世に出した直線基調の2ボックスカーのデザインは、誰もやったことのない「新しい」ものでした。そして同時にこのデザインは、自動車の世界でひとつのスタンダードとなった。つまり「美しい普通」です。ただの「新しい」を世に出すことは可能です。でも、大概の「新しい」は、一過性の「奇抜」で終わってしまう。その後の世界でスタンダーになっていく、つまり「美しい普通」になるような「新しさ」を具現化できるデザイナーは、100年に1人出てくるかどうかと言っていい。まさに、天才の仕事なのです。

川島:ジウジアーロはまさにその100年に1人である、と。で、和田さんも次世代のジウジアーロになろう、と……。

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「「美しい普通」を創りたい」の著者

川島 蓉子

川島 蓉子(かわしま・ようこ)

ifs未来研究所所長

ファッションという視点から、さまざまな分野の企業のブランド作りなどのプロジェクトにかかわる。日経MJ、ブレーン、読売新聞などで連載を持つ。2013年から現職。多摩美術大学非常勤講師。Gマーク審査委員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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