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リアルタイム革命の始まり

第4回:ITの進化切り開く世界と、蓋然性の高いリスク

2014年9月22日(月)

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 連載も今回が最終回。ここでは初回同様、サッカーのトピックから始めてみたい。

 ドイツにはTSG 1899 ホッフェンハイム(以下ホッフェンハイム)というチームがある。現ガンバ大阪の宇佐美貴史選手や、現バイエルン・ミュンヘンの岩渕真奈選手が在籍していたので、ご存知の方もいるだろう。

 このホッフェンハイムは、1990年代初頭にはドイツ8部リーグ所属だったのだが、徐々に所属リーグを上げていき、2008年に1部リーグであるブンデスリーガに昇格したというチームだ。ちなみに昨シーズンは9位(18クラブ中)という実績を残している。このホッフェンハイムのトレーニングにもIOT(Internet of Things:モノとモノがネットで繋がること)が見られるのだ。

 ホッフェンハイムの選手は、プレーに先立ちレガースの中にセンサーを押し込む。グラウンドに設置されたアンテナが選手の動きを位置情報としてリアルタイムで捕捉し、パフォーマンスがリアルタイムで解析され、コーチのタブレットやグーグルグラスなどへ送信される。コーチや選手の感覚が、具体的な数値で示されることで、より具体的な目標設定や効果的なトレーニングが可能となっている。

 またプレーの結果を3Dで示し、それを好きなアングルから見て会話することで、戦術面における改善やその理解も進んでいるという。これらの成績への貢献度合いなどについて論評をしようというわけではないが、ヒトがセンサーとしてインターネットにつながることが、こんなところにまで実装されているのは、新鮮な驚きかもしれない。

「Industry 4.0って、何が新しいの?」

 「いやいや、ナイキ社のジョギングアプリは3、4年前からあるじゃない?」という方もいらっしゃるだろう。簡単に説明しておくと、これはiPhoneのもつGPSと加速度計を利用して、ランニングのペース、走行距離、時間、消費カロリーなどを記録したり、データを知人とシェアしたり、といったアプリだ。

 ヒトが身につけたセンサーを、インターネットを通じて他とつなげていくという点では、たしかに同じだと言ってもいい。特に新鮮な驚きではないかもしれない。同様に「Industry 4.0って、いったいなにが新しいの?」という問いかけもあるだろう。

 結論から言えば、Industry 4.0で提示されている考え方は、20年前からあるものとほとんど変わらない。 90年代後半から2000年代の初頭に流行したサプライチェーン・マネジメントでは、Industry 4.0と同様のコンセプトや考え方は既に提唱されていたし、ソフトウエア製品を中心に多くのソリューションも提供されていた。

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「リアルタイム革命の始まり」の著者

大野 隆司

大野 隆司(おおの・りゅうじ)

ローランドベルガーパートナー

早稲田大学政治経済学部卒業後、米国系戦略コンサルティング・ファーム、米国系ITコンサルティング・ファームを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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