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米国は禁煙国家になるのか?

2014年9月9日(火)

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 長い間、米国が世界最初の禁煙国家になると思ってきた。米国は日本以上にタバコへの締めつけが厳しく、禁煙国家への道を歩み続けているように見える。成人の喫煙率はすでに18.1%(2012年)にまで低下している。遠くない将来に「もうタバコは全面的に禁止しよう」という連邦法が成立する可能性がある。

大手ドラッグストアがタバコ販売を中止

 この動きに拍車をかけるようなことが今月3日に起きた。全米第2位のドラッグストア(日本の薬局とコンビニエンスストアが併合した業態)であるCVSケアマーク(以下CVS)がタバコの販売を中止したのだ。全米で展開する約7600の店舗のすべての棚からタバコを撤去した。実は今年2月、CVSは10月1日までにタバコの販売を止めると宣言していた。その時期をほぼ1カ月前倒して断行したのである。

 タバコと関連商品を含めたCVSの年間売上は約20億ドル(約2080億円)に達していた。禁煙の波が広がっているとはいえ、経営側としては、2000億円強の売上高をゼロにすることは苦渋の選択だったにちがいない。

 ラリー・マーロ最高経営責任者(CEO)兼社長はその理由をこう述べている。「長い間、我が社は健康増進を目的にした商品を売りながら、同時にタバコも売るという自己矛盾を抱えてきました。長期的な視点から、企業が進むべき道を示すべきと考え、今回の決定をいたしました。これからは民間企業の決断が行政政策を動かさなくてはいけないと考えます」。

 勇断と呼んで差し支えない。企業の社会的責任(CSR)の実践でもある。利益至上主義の組織では、2000億円をゼロにする決断はしにくい。まず役員会が了承しないだろう。そればかりか、タバコを販売しないことで、顧客が競合他社やコンビニに流れてしまうことを恐れるにちがいない。しかしCVSは社会の先を見越したかのように、タバコの販売中止へと舵を切った。同時に社名をCVSヘルスにするという。

実は先行しているブータン

 冒頭で「世界最初の禁煙国家」と書いたが、実は、ヒマラヤ東部に位置する仏教国、ブータンが既に禁煙国家になっている。2004年12月に国内でのタバコ販売を禁止した。

 ジグミ・シンギ・ワンチュク前国王が提唱した国民総幸福(GNH)という考え方に基づいて禁煙法を施行したのだ。ただ、国外から持ち込まれたタバコを自宅で吸うことはできる。

 ブータンが比較的スムーズに禁煙国家に移行できたのは、当時ブータンの喫煙率が10%以下にまで落ちていたことや、人口が69万人(当時)という小国であったことも要因としてある。

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「米国は禁煙国家になるのか?」の著者

堀田 佳男

堀田 佳男(ほった・よしお)

ジャーナリスト

1957年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業後、アメリカン大学大学院国際関係課程修了。米情報調査会社勤務後、90年にジャーナリストとして独立。政治、経済、社会問題で取材活動をつづけ、滞米25年後に帰国。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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