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中内イズムの亡霊に悩むメーカーたち

“ストリップ劇場”とものづくりの新たな希望

2014年9月10日(水)

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 スーパーマーケットはストリップ劇場であらねばならない。百貨店は見るのを楽しむ場所だ。しかし、消費者たる大衆の味方は財布を守らねばならない。ストリップ劇場たるスーパーマーケットは、裸の値段で商品を提供する。

 これが有名経営者の発言だとしたら驚くだろうか。しかも、この有名経営者が自身のビジネス書で、社会主義革命を謳いあげていたら、さらに驚くに違いない。資本主義の先端を走る経営者が、みずからの理想を社会主義という。しかし、その経営者はすべて本気だった。

“ストリップ劇場”と社会主義革命を目指した経営者

 彼は、小売業者として生産者(メーカー)優位の状況が気に食わなかった。小売業者は決められた価格に従うだけ。ほんらい、支配者たる消費者の意見が最優先であるべきところ、限られた生産者が優先されてしまっている。彼にはその構図が、「王権=メーカー」と「プロレタリアート=消費者」に映った。そして、消費者が価格決定権を持つ社会を目指すことは、消費者が中心となった社会をつくることだった。まさにそれは、ビジネスを舞台とした彼の社会主義革命にほかならなかった。

 彼は「ソビエトをつくろう」といい、「流通革命のソビエトは、まず大阪、神戸に建設されるべきであり、やがて各地に広がっていくだろう」と述べた。

 その彼とは――、ダイエーの創業者であり元経営者の中内功氏だ。

 「現在の日本の経済社会は、生産者がすべての面にわたって実権を握っている。生産者中心型の社会である。それは商品の価格決定権を生産者が握っていることに、端的に表現されている。革新的流通業者は、生産者が一方的に指示し、また決定した価格を破壊し、これに代えて流通業者が消費者大衆のために価格を設定することによって、生産者中心型社会を流通業者中心型の社会に改めることをめざしている」(昭和44年発行「わが安売り哲学」より)

 安売りの徹底と、そして消費者からの熱狂的な支持。最大納入メーカーであった松下電器産業(現パナソニック)と販売価格で争おうとも、氏はその安売り哲学を修正することはなかった。右肩上がりの日本経済とともに、氏はたしかに小売業の地位をあげた。そして、消費者主導の価格決定構造を作り上げた。

 「安く、さらに安く」、「買い手がすべてを決める」――。まさにそれは氏が目指してきた流通革命そのものだったのだろう。

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「中内イズムの亡霊に悩むメーカーたち」の著者

坂口 孝則

坂口 孝則(さかぐち・たかのり)

調達・購買コンサルタント

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。調達・購買関連書籍23冊を上梓。2010年、調達・購買コンサルタントとして独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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