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赤字の地域路線バスを止めないため、賃上げを決意

埼玉県の路線バス会社イーグルバス(前編)

2014年9月11日(木)

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 イーグルバスは、埼玉県に本社を持つ路線バス会社だ。もともとは戦後、地元の川越市で旅行代理店であるイーグルトラベルとしてスタートした。長らく国内外の旅行やバスツアーの企画、観光バスの予約手配などを行ってきたが、1983年から事業を多角化し、企業や病院、学校などへのバス送迎のサービスを開始。その後、1990年に一般の観光バス事業に参入していった。

 1995年からは、川越市旧市街にある名所を巡るレトロな観光路線バスを運行し始めた。それまでは一つの地方都市だった川越市を、美しい旧市街を持つ観光地として、知名度向上に大きく貢献してきた。

 さらに、2006年からは、埼玉県内の日高町や山間部にあるときがわ町で、大手バス会社が赤字で撤退した路線バス事業に積極的に参入していった。路線バス事業では、IT技術の導入に積極的に取り組み、社会貢献を会社の経営理念の中核に据え、地域住民の足である地方の路線バスの再生にも取り組み始めた。

 イーグルバスは事業を拡大しながら企業として順調に成長してきた。しかし、ここに来て強烈な人手不足の問題がおしよせてきた。より良い雇用条件を求め、イーグルバスのドライバーの離職も止まらない状態となった。

 この状況を打開するために、イーグルバスは「賃上げ」を行うことを決意した。中小企業のオーナーは、会社と自分を一体で見てしまう。同社も賃上げによって予想される業績の悪化を恐れ、賃上げを一度は躊躇したが、最終的に、賃上げによって雇用条件の改善を優先した。必要な人数のドライバーを確保し、そこから改めて次の成長につなげていくことにした。今回は、イーグルバスの谷島賢社長に、賃上げの取り組みについて話を聞いた。

イーグルバスのバス

◇     ◇     ◇

谷島:今、イーグルバスは会社として大変厳しい状況にあります。とにかくドライバーが不足しているのです。バス業界全体で慢性的な運転手不足の状態にあって、大手の路線バス会社でも私どもと同じようにドライバーが全く足りていません。

 最近になって大手のバス会社がより積極的にドライバーの確保に動き始め、イーグルバスのような中小のバス会社にいるドライバーが、より良い雇用条件を求めて大手に移り始めています。

 バス業界全体が、人手不足という非常に厳しい状況に一気になったのです。当初は仕事が増えているのに「人が集まらないな」といった感じでした。そうこうしているうちに、大手のバス会社も人が集まらないと言い始めて、積極的に人材募集を開始し、昨年くらいからは、私どものような中堅の路線バス会社でも、採用できないどころか、人材の流出が止まらなくなってしまったのです。

 去年は本当にさんざんでした。私どもの会社の知名度も上がって、新たに仕事がどんどん取れるようになってきたのですが、受注できた仕事を高い単価で外注して、バスを運行しなければならない状況に陥ってしまったのです。実のところ、で受注額よりも外注額が上回ってしまう逆ザヤの事業も一部あります。

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「赤字の地域路線バスを止めないため、賃上げを決意」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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