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アッキーが放ったKY発言

土が育む“真っ当”な農業観

2014年9月12日(金)

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 失礼な言い方をすれば、正直たかをくくっていたのかもしれない。会見場に彼女が登場したとき、とくだん期待せずにメモを取り始めた。だが意外、と感じてしまったのはこちらの勉強不足ゆえだった。現役の首相、安倍晋三の夫人、「アッキー」こと安倍昭恵のことだ。

農業女子が軽トラを変える

 9月2日、東京都渋谷区にある恵比寿ガーデンホール。冷房がキンキンに効いた会場に170人のメディア関係者が集まった。スポットライトに照らされたステージに現れたのは、ダイハツ工業社長の三井正則だ。「これまで軽トラックは丈夫でたくさん積めるものが求められてきた。だがお客様が求める性能や装備は大きく変化した」。

 この日の会見は、15年ぶりにフルモデルチェンジした軽トラ「ハイゼット トラック」のお披露目が目的だ。三井が新製品の特徴として挙げたのが「豊富なカラーバリエーション」や「使いやすさ」。開発に際しては女性の農家の意見を参考にした。「女性ならではの視点からアイデアをもらった」という。

マルシェで店舗として使うことを想定したダイハツの新しい軽トラ

 農林水産省が昨年から進めている「農業女子プロジェクト」という取り組みがある。各地で活躍する女性農家をネットワーク化し、互いに情報交換したり、社会に情報発信したりするのが狙い。これをたんなる運動論に終わらせないため、企業に幅広く参加を仰ぎ、新しいサービスや商品の開発に役立てている。ダイハツもそこに名を連ねる1社だ。

 ここで農業女子プロジェクトの長所に触れておくと、ほかの多くの農政の分野と違い、補助金とほとんど無縁な点が大きい。参加している企業に何社か話を聞いたが、口々に「まさか交通費さえ出ないとは思わなかった」と話した。補助金で誘導するのではなく、プロジェクトに入ることで企業が自ら商機を見つけることを期待しているのだ。

 ダイハツの新型ハイゼットはその結果、生まれた。これまで軽トラの車体は白やシルバーばかりだったが、新車はオレンジやピンクなど8色をそろえた。運転席の小物入れの数もいままでの7つから20に増やし、いろんなものを手元に置きたい女性の声に応えた。

車体の色のバリエーションを増やした

 女性の意見を聞くことで、機能性を超えた商品の付加価値をつけるのは消費財ではいまやあまりにも当たり前の発想だ。だが、男くさいイメージが色濃い軽トラでもそれを実践し、商品化したのは、農業女子プロジェクトの成果と言っていいだろう。

コメント3件コメント/レビュー

首相の奥様はなかなかの方のようですね。言行一致して実際に行動するところが素晴らしい。思うだけでなく現場で行動する(した)経験がない人の言葉はどうしても現実から遊離してしまう。特に日本のマネジメント層は祭り上げられてしまう文化的な背景もあり、それを自覚して自分で率先して現場に入り込む必要があると思います。(2014/09/12)

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「アッキーが放ったKY発言」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

首相の奥様はなかなかの方のようですね。言行一致して実際に行動するところが素晴らしい。思うだけでなく現場で行動する(した)経験がない人の言葉はどうしても現実から遊離してしまう。特に日本のマネジメント層は祭り上げられてしまう文化的な背景もあり、それを自覚して自分で率先して現場に入り込む必要があると思います。(2014/09/12)

かっては(昭和の高度成長時代の頃までは)学校においても、消費者(先生と生徒)と生産者(農家)の距離を縮める努力がされていました。いつのまにか、学校では汗水ながして働く肉体労働を蔑視するような教育に変わっていったようです。(2014/09/12)

農業には、都会で人間関係に傷つき自分を見失った引きこもりやニートの若者を吸収し蘇生する場として、政府ももっと支援すべきだと思います。それこそ現代版集団農場でも良いのでは。ただし若者を引きつけるには収入の低さが問題です。労働の辛さよりも収入が安定しないこと、それが都会のコンビニバイトより低いのでは見向きもされません。生活保護や失業手当てで面倒を見るくらいなら、それこそ一定の収入保証をした方が有意義ではないでしょうか。(2014/09/12)

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三品 和広 神戸大学教授