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日本企業を変革できるかは中間管理職が鍵

リンダ・ヒル教授に聞く(2)

2014年9月19日(金)

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 2013年、Thinkers50「世界で最も影響力のある経営思想家50人」で、世界第8位にランクインしたのが、ハーバードビジネススクールのリンダ・ヒル教授。30年以上に渡って、同校のリーダーシッププログラムの発展に貢献してきた立役者だ。

 Thinkers50はイギリスで創設された経営思想家ランキング。アドバイザーチームと一般投票によって、隔年で選出されるこのランキングは、「経営思想界のアカデミー賞」とも言われる権威と影響力を持つ。今年 6月、アメリカで新刊『Collective Genius: The Art and Practice of Leading Innovation』(以下「コレクティブ・ジーニアス」)を上梓した教授に、イノベーションを起こす組織のリーダーシップ、リーダーシップの定義、そして、教授自身の人生のリーダーシップについて聞いた。

(2014年6月23日、ハーバードビジネススクールにてインタビュー)

「コレクティブ・ジーニアス」について語るリンダ・ヒル教授 (c) fyfephoto.com
リンダ・ヒル
Linda A. Hill

ハーバードビジネススクール教授。専門は経営管理。MBAプログラムのリーダーシップ部門や数多くのエグゼクティブ教育講座の主任教授を務める。リーダーシップ開発、人材管理、変革リーダーシップ、イノベーション、グローバル戦略遂行、組織横断型マネジメントを専門に、三菱商事、GE、アクセンチュア、ファイザー、IBM、マスターカード、モルガン・スタンレーなど世界的大企業のコンサルタント/教育者として活躍。共著書に「Collective Genius: The Art and Practice of Leading Innovation」(Harvard Business Review Press )「ハーバード流ボス養成講座―優れたリーダーの3要素」(日本経済新聞出版社)

中間管理職が改革の鍵を握る

佐藤:日本企業の組織構造は、中間管理職が実質的な力を持つ「ミドルアップ、ミドルダウン」と言われています。このユニークな構造を持つがゆえに、イノベーションを起こす環境がつくりづらいのではないかと懸念されていますが、それについてはどのようにお考えですか?

佐藤智恵(聞き手)
1970年兵庫県生まれ。1992年東京大学教養学部卒業後、NHK入局。報道番組や音楽番組のディレクターとして7年間勤務した後、退局。2000年1月米コロンビア大学経営大学院留学、翌年5月MBA(経営学修士)取得。ボストンコンサルティンググループ、外資系テレビ局などを経て、2012年より作家/コンサルタントとして独立。2004年よりコロンビア大学経営大学院の入学面接官。ウェブサイト

ヒル:日本だけではなく、世界中のどの企業でも、大企業になればなるほどイノベーションを起こす環境をつくるのが難しくなると思います。これは多くのグローバル企業が直面している問題です。大企業でも成功している企業はありますが、現実的には、組織が大きくなればなるほど、構造が複雑になり、イノベーション能力を失っていくものなのです。

 では大企業の中でイノベーションを起こすにはどうしたらいいか。ピクサーのエド・キャットムルCEOは自著の中で、「社員に“自分はこの組織の一員である”という帰属意識を持ってもらうために企業としての透明性を維持していこうと最大限に努力した。しかしそれは大きなチャレンジだった」と述べています。CEOが、「皆さんがリスクをとってチャレンジすることを会社は支援しますよ」とどんなに強調しても、社員が「失敗しても減点されない」と確信できなければ、リスクは冒さないでしょう。

佐藤:日本の大企業のトップに話を伺うと、皆さん、イノベーションが成長の源泉であることは百も承知で、イノベーションを歓迎する組織に変革したいとおっしゃいます。ボトムアップの意見は大歓迎だと。しかし、現場の中間管理職に聞いてみると、「失敗したら減点されるに決まっている」「自分1人が改革の犠牲になりたくない」というのが本音なのです。

ヒル:しかしインドのソニー・エンターテインメント・テレビジョンの例は、日本企業の傘下にあっても、大きな変革ができることを物語っていますよね。同社はソニーグループの一社であり、ソニー本社の経営層、多くの日本人経営層が、イノベーションを起こせる組織作りを支援したからこそ、革新的組織を実現することができたと言えます。ローソンの例もあります。ローソンはコンビニエンスストア業界で常に新しいことをやろうと努力している企業ですよね。

 ソニーやローソンの例を研究してみると、日本の企業全体、あるいは企業の一部に、イノベーションを起こせる“エンジン”があることが見てとれます。先ほど、日本企業では中間管理職が力を持っているとおっしゃっていましたが、逆にいえばそこにチャンスが眠っているのです。つまり日本企業のイノベーションの鍵を握っているのは中間管理職なのです。

「ハーバードのリーダーシップの授業」のバックナンバー

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「日本企業を変革できるかは中間管理職が鍵」の著者

佐藤 智恵

佐藤 智恵(さとう・ちえ)

作家/コラムニスト/コンサルタント

1992年東京大学教養学部卒。NHKにて番組ディレクターを務めた後、2000年1月米コロンビア大学経営大学院留学、翌年5月MBA取得。ボストンコンサルティング、外資系テレビ局などを経て2012年独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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