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社内政治こそリーダシップだ

リンダ・ヒル教授に聞く(3)

2014年9月25日(木)

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 2013年、Thinkers50「世界で最も影響力のある経営思想家50人」で、世界第8位にランクインしたのが、ハーバードビジネススクールのリンダ・ヒル教授。30年以上に渡って、同校のリーダーシッププログラムの発展に貢献してきた立役者だ。

 Thinkers50はイギリスで創設された経営思想家ランキング。アドバイザーチームと一般投票によって、隔年で選出されるこのランキングは、「経営思想界のアカデミー賞」とも言われる権威と影響力を持つ。今年 6月、アメリカで新刊『Collective Genius: The Art and Practice of Leading Innovation』(以下「コレクティブ・ジーニアス」)を上梓した教授に、イノベーションを起こす組織のリーダーシップ、リーダーシップの定義、そして、教授自身の人生のリーダーシップについて聞いた。

(2014年6月23日、ハーバードビジネススクールにてインタビュー)

「コレクティブ・ジーニアス」について語るリンダ・ヒル教授 (c) fyfephoto.com

リンダ・ヒル
Linda A. Hill

ハーバードビジネススクール教授。専門は経営管理。MBAプログラムのリーダーシップ部門や数多くのエグゼクティブ教育講座の主任教授を務める。リーダーシップ開発、人材管理、変革リーダーシップ、イノベーション、グローバル戦略遂行、組織横断型マネジメントを専門に、三菱商事、GE、アクセンチュア、ファイザー、IBM、マスターカード、モルガン・スタンレーなど世界的大企業のコンサルタント/教育者として活躍。共著書に『Collective Genius: The Art and Practice of Leading Innovation』(Harvard Business Review Press )『ハーバード流ボス養成講座―優れたリーダーの3要素』(日本経済新聞出版社)

佐藤智恵(聞き手)
1970年兵庫県生まれ。1992年東京大学教養学部卒業後、NHK入局。報道番組や音楽番組のディレクターとして7年間勤務した後、退局。2000年1月米コロンビア大学経営大学院留学、翌年5月MBA(経営学修士)取得。ボストンコンサルティンググループ、外資系テレビ局などを経て、2012年より作家/コンサルタントとして独立。2004年よりコロンビア大学経営大学院の入学面接官。ウェブサイト

佐藤:前回、イノベーションの過程に失敗はつきものだとおっしゃいましたが、リーダーはどのように失敗を許容すればいいのでしょうか?

ヒル:HCLテクノロジーズは、ビジネス効率を上げたい顧客に対し、インフラやアプリケーションを提供するIT企業です。もともと多くの失敗やミスを許容できる業態ではありません。そうはいうものの、HCLは社員が「契約書以上の仕事」をすることを奨励していました。「契約書の内容は確実に遂行した上で、顧客に付加価値を与えるために、何か新しいことにチャレンジするのは大歓迎です。挑戦した部分については、出だしでつまずいても、途中で転んでも、結果的に失敗しても許容しましょう」と。もちろん同じ失敗は二度と繰り返したくないですよね。だからHCLテクノロジーズの社員にとって、すべての失敗からは学ぶことは必須でした。

佐藤:ハーバードでもあらゆる授業で「失敗事例」を教えていますよね。

リスクをとる行為そのものに価値はない

ヒル:失敗への向き合い方は非常に重要なので、今、ハーバードでは、1年目の授業でデザイン・シンキング(ロジカルシンキングとは対極にある顧客主義の思考法)を教えているのです。学生は、実際に試作品、試行サービスなどを顧客に提供し、そのフィードバックを生かして、どのようにビジネスを設計していけばいいのかを理解していきます。時には良いと思っていた試作品が失敗することもあります。しかし失敗から必要なことが学べますし、試行段階なのですぐに修正すればいいのです。

 よく「企業はリスクをとらないと、リターンを得られないのですか」と質問されますが、リスクをとることに価値があるとか、失敗は挑戦した証だから何でも許されるという考えは間違っていると思いますよ。

 企業にとっては、リスクをとるという行為そのものではなく、“成長しようとする志”を持つことに価値があるのです。「何年以内にここまで成長しよう」と思えば、自社の能力以上のことを達成しようと努力するでしょう。そこにイノベーションが生まれる。同じように、私たちも自分を成長させようとするとき、自分自身の能力を超えて挑戦しようとしますね。成長する過程では、当然リスクを伴うし、失敗もします。そしてその過程の結果としてリターンがあるわけです。

 大切なのは、目標達成までの過程でとるリスクを、想定内にとどめておくこと。それなら途中で転んでも、再び起き上がって、目的地にたどりつくことができるからです。

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「社内政治こそリーダシップだ」の著者

佐藤 智恵

佐藤 智恵(さとう・ちえ)

作家/コラムニスト/コンサルタント

1992年東京大学教養学部卒。NHKにて番組ディレクターを務めた後、2000年1月米コロンビア大学経営大学院留学、翌年5月MBA取得。ボストンコンサルティング、外資系テレビ局などを経て2012年独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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