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「日本製」や「中国製」というタグは、もう意味がない

グローバリゼーション3.0の本格到来

2014年9月24日(水)

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 今月19日、iPhone6が発売されました。この製品の裏には今までと同じように、「Designed by Apple in California, Assembled in China」と書かれているのかと思います。

 これは「アップルがカリフォルニアで商品企画して、中国で組み立てた」という意味です。広く知られていますが、アップルは一部を除いて製品や部品を自社では製造しません。世界中の多様なサプライヤーの強みを組み合わせて、iPhoneやiPadのような商品を顧客に提供しています。

 では、iPhoneは「中国製」なのでしょうか、「アメリカ製」なのでしょうか?

 恐らく、どちらでもありません。このペースでグローバル化が進んでいくのであれば、我々日本人がこだわりぬいて守ってきた「日本製」というような最終組み立て地を示す称号は、あまり意味を持たない時代になるのかもしれません。

iPhoneの組み立てでは、8ドルしか儲からない

 iPhoneの最終組立は、フォックスコン(Foxconn)をはじめとする電子機器受託生産の企業が担っています。しかし、この最終組み立てという作業自体の付加価値は、iPhone5s(16GB)の製造原価である198米ドルのうち、8米ドルに過ぎません(※1)。残りの190米ドルの部品は、世界中の企業が分担して設計・製造しています。そうした精密部品は単価に比較して輸送コストが低いので、中国では生産されず、母国で生産されているものも多いと言われています。

 日経新聞の推定(※2)によれば、iPhone6においても、カメラ部品はソニー、液晶パネルはジャパンディスプレイやシャープ、高周波部品は村田製作所やTDK、そして太陽誘電、またLEDのバックライトモジュールはミネベアといった日本企業が部材を提供しているといいます。

(※2)日経新聞2014年9月15日朝刊、「アップル新スマホ、日本勢は部品で存在感」より

 iPhoneと同じように、世の中には「中国製」の製品があふれてはいます。しかしその「中国製」が意味するところは、最終組み立て地が中国であったというだけで、その中の部材を誰がどこで作っているのか、その製品を誰がどこで企画設計しているのかとは、直接的には関係がないのです。

国家をまたいだ価値連鎖は、なかなか議論されない

 こうした現実は、経済協力開発機構(OECD)が2013年5月に作成したこのビデオ(※3)でも触れられています。しかし、つい最近までこのGlobal Value Chain(世界的な価値連鎖)は、なかなか公に注目されることがありませんでした。

 全世界の国々がどのようにつながり、いかに世界的な価値の連鎖を作り出しているのか、それを把握するのは雲をつかむような作業です。しかし、この実態をつかもうとする動きは少しずつ進んでいます。例えば、2013年にOECDと(WTO)世界貿易機関が共同で公開したTiVAデータベースは顕著な事例といえるでしょう。

コメント16件コメント/レビュー

なんでこんなに大風呂敷で過度に一般化された議論をする必要があるのか理解に苦しむ。日本製や中国製に意味がある商品とそうでない商品があり、その違いはどこにあるのか、その実務上・政策上のインプリケーションは何なのか、という議論ならまだわかる。でも、この書き方はそんな個々の事情はすっとばし、好都合なアネクドートだけを集めた議論となっているため、他のコメントのような反応が多くなってしまうのだと思う。この文章の煽り具合や論旨の展開は、きちんと知を生産する研究者というよりも、ジャーナリストの文章というのが正直な感想。著者はまだ若いのだから、こんなものを書くより、数年きちんと論文を書いてみるほうがよいのではないかな。(2014/09/25)

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「「日本製」や「中国製」というタグは、もう意味がない」の著者

琴坂 将広

琴坂 将広(ことさか・まさひろ)

立命館大学国際経営学科准教授

慶応義塾大学環境情報学部卒業。在学時、小売・ITの領域において3社を起業、4年間にわたり経営。マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て英オックスフォード大学で博士号取得(経営研究)。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

なんでこんなに大風呂敷で過度に一般化された議論をする必要があるのか理解に苦しむ。日本製や中国製に意味がある商品とそうでない商品があり、その違いはどこにあるのか、その実務上・政策上のインプリケーションは何なのか、という議論ならまだわかる。でも、この書き方はそんな個々の事情はすっとばし、好都合なアネクドートだけを集めた議論となっているため、他のコメントのような反応が多くなってしまうのだと思う。この文章の煽り具合や論旨の展開は、きちんと知を生産する研究者というよりも、ジャーナリストの文章というのが正直な感想。著者はまだ若いのだから、こんなものを書くより、数年きちんと論文を書いてみるほうがよいのではないかな。(2014/09/25)

目新しさはないが、ごく真っ当な記事だと思いました。批判されている方は日本製が良くて、韓国や中国製は劣るという最近よく見られる議論をしています。当初は韓国製なんて安いだけという評価でしたが、今や世界的に日本製より売れています。しかもそれは値段が安いという理由ではなく。今回の記事はコモディティー化と深く結びつくと思いますが、そういった中でどう差別化していくかという話だと思います。それができている会社がアップルなどになる。日本製はいいといっても決定的な物が足りない。今は非常に差別化するのが難しい状況です。そこではブランド作りが重要で、技術力が高いだけでなく購入者がほしいと思えるような仕掛けが必要になります。これを続けていくのは難しく、アップルであっても安泰ではないと考えられます。逆に部品メーカーは良い製品を作って、それが汎用品であれば多く販売することができます。エンジニアリングにとっては厳しい状況で、これから先はどうなっていくのでしょうか? 今後、記事で取り上げてください。(2014/09/24)

いろいろな人のコメントを読ませていただきましたが、やはり全面的には共感できません。これは、スマートフォンなどの世界の話ではないですか。やはり、いまだに「日本製」のほうが信頼できるし、同じブランドであっても「中国製」の商品は信頼性に欠けます。電気製品でも、家電製品などは、日本の大手電機メーカーのものには如実にそれが表れていると感じます。(大手ではありませんが、電機メーカー勤務なので、特にそう感じるのかもしれませんが)(2014/09/24)

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