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青春の思い出「てびち」に挑戦!

第33食目 Oきなわ亭(鶴見)【後編】

2014年10月8日(水)

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 Y氏のご注文、ソーキそば定食、800円はこちら。

イトウの注文はてびちそば、800円。

 めんが見えない。てびちがでんっと乗っかり、丼の底の方へと追いやっているからだ。

 丼を掻き回して味が濁ってしまう前に、スープを掬おう。そっとレンゲを動かした途端、かつお出汁と肉出汁の芳しい香りが鼻腔をくすぐった。

祝・単行本化!『立ちそばガール!』(イトウエルマ絵・文)

 掬ったレンゲの中を覗くと、汁の色は僅かに白濁しているものの、概ね透明感のある淡い蜂蜜色。それを、啜る。

 ごくっ。

 おお、味が濃い。旨い!かつお節と豚肉の合わせ出しの濃厚な風味が口中に充溢。それが、いつまでも留まり続ける。

 沖縄そばのつゆ、といえばかなり薄味であっさりしている印象がある。しかし、「Oきなわ亭」の汁は、インパクトが強い。伝統的な沖縄そばのつゆに用いられる、かつお節と豚だけでは出しえない力強さである。つゆ自体の濃厚さもあるが、おそらく昆布と椎茸も使われている。この二つが加わるだけで、汁の味はぐっと強まる。ひょっとすると、鯖節も使われているのかもしれない。沖縄でも、今は鯖節を使う店があるそうだ。

てびち…初めてなんです

 塩気も沖縄のものに比べるとやや強め。ラーメン汁ほどの刺激ではないにしても、パンチがある。横浜らしい、沖縄そばの家系といった印象。

 余談であるが、沖縄県は一人当たりのかつお節の消費量が日本一。中でも魚味の強い、裸節(カビ付けをしないタイプ)を使う。

 さらには昆布消費量の多い県でもある。これは江戸幕府に隠れて薩摩藩が中国と取引をした昆布貿易の中継地点が琉球にあったため。もっとも、その昔、昆布は出汁素材ではなく、食べるもの。そして、てびちを煮るのに欠かせない食材でありました。

 さて、いよいよてびちに挑もう。しかし、

:てびち、初めてなんです。

 てびちに対する憧れと畏怖、そしてずっと向き合えずにいた理由。現物を眼前にした今、突如思い出しました。己の心を縛り付けるきっかけとなった出来事があったことを。それには沖縄で出合った一人の青年が深く関わっていた。

コメント4

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「青春の思い出「てびち」に挑戦!」の著者

イトウエルマ

イトウエルマ(いとう・えるま)

イラストライター

北海道室蘭市生まれ。桑沢デザイン研究所グラフィック研究科卒。文具メーカーで企画・デザインに携わり、その後フリーに。イラストルポなどを中心にお仕事しております。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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