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「やる気」で問題は解決しない

2014年10月7日(火)

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 本連載では、「部下が設定した目標を達成する」最も効果的な方法を説明していきます。それは、すなわち「行動定着コーチング」という全く新しいコーチングの概念です。

 日本において企業の収益を支えているのは、現場のマネジャーです。多くのマネジャーはプレーヤーとしても非常に多忙ですが、部下育成を怠るわけにはいきません。部下が育ってくれなくては、いつまでたっても自分の仕事が楽にはならないからです。

 マネジャーは部下が育ち、チームの業績に貢献してくれる状況を一刻も早く実現するため、話し合いなどを通じて丁寧に部下ごとの目標を設定します。しかし、部下が一向にその目標を達成しないことに日々苦しめられているのです。

 行動定着コーチングはこうした現状からマネジャーを救い出します。

 これまで、多くの日本企業が取り入れてきたコーチングは、それほど大きな効果をもたらしていません。むしろ、マネジャーたちの時間をムダにしているケースが多いのではないかと推察されます。

「○○君は、この仕事を通してどんなことを実現したいの?」
「そもそも、どうしてこの仕事を選んだのだろうか?」
「そのために、今できることって何だと思う?」
「その何割ができていると感じる?」
「点数をつけるとしたら何点ぐらい?」
「もし90点になったら、何が変わっていくだろうか?」
「目標をかなえた時、○○君はどんな気持ちになるだろう?」

 こうした質問をしながらミーティングをすると、部下たちは言葉の上では建設的な姿勢を見せ始めます。しかし、一向に行動に移そうとはしません。それは部下が悪いのではなく、コーチングの仕方に問題があるというのが私の考えです。

目標設定が無意味に

 この連載で紹介する「行動定着コーチング」を体系化するにあたり、私自身、参考のために従来のコーチングを受けてみたことがあります。

 私についたコーチは、私が「どうなりたいか」という目標や、その目標を達成した時に「どのような気持ちになるだろうか」といった質問をたくさん投げてきました。

 しかし、気持ちの部分にばかりフォーカスしていて、そのために「どうすればいいか」は教えてくれませんでした。従来のコーチングでは、答えをひたすら本人に考えさせるのです。

 いくら目標を設定をしてみたところで、そこにたどり着く方法がわからず、結果につながらなくては意味がありません。目標を設定しただけで「やったような」気分になるなら、かえって逆効果ではないでしょうか。

 もともとコーチングは米国で生まれました。

 米国では、コーチに強固な自己基盤が必要とされ、厳しく教育されています。コーチに求められているのはビジネスの自己基盤が6割、コーチング技術が4割といったところでしょう。

 しかし、急激にコーチングブームが起きた日本では、コーチをじっくり育成する時間がなかったのかもしれません。中にはしっかりした自己基盤を持つコーチもいますが、そうでない人が多いのも事実。つまり、コーチの技量にばらつきがあるのです。

 もちろん、従来型のコーチングでも成果は出るかもしれませんが、あまりにも時間がかかりすぎます。その時間を考えると、費用対効果は低いと言わざるを得ません。大企業の場合、全社的にコーチングを取り入れているケースが多く、そのための費用や時間はばかになりません。

 企業としては、一時的に高いコストをかけても、やがてコーチング文化が根付くのなら安いものだと考えていることでしょう。たとえば、管理職層にコーチング研修を受けさせ、彼らが習得したコーチングの技法を、後輩たちに受け継いでいってくれればそれでいいと。しかし、いくら「文化」が根付いても、それが早い時期に業績アップにつながらなければ意味はないのです。

 時間をかけて目標を設定しても、達成できない部下が多すぎる――。企業の管理職、マネジャーが抱える、こうした悩みを解消するには、部下の行動を望ましい方向へ具体的に導く必要がある。それを短期間で可能にするのが「行動定着コーチング」だ。

 行動科学マネジメントをベースとした行動定着コーチングは米国で広まるコーチングの新しい概念。従来のコーチングでは、やる気・意欲の向上に重点が置かれていたが、行動定着コーチングでは、気持ちの問題より「行動」に焦点を当てる。教えられる側(多くの場合、部下)が取るべき行動を具体的に認識しなければ、職場に正しい行動は定着しない。逆に、それができれば部下の動きは1カ月で変わる。本書では、この新しいコーチングの実践法を事例を交えて詳細に解説する。

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「「やる気」で問題は解決しない」の著者

石田 淳

石田 淳(いしだ・じゅん)

ウィルPMインターナショナル社長

行動科学マネジメントの第一人者。行動分析、行動心理を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものにアレンジ、短期間で8割の「できない人」を「できる人」に変えると企業経営者などから支持を集める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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