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オーナー経営者は自由に後継者を選べるのか?

『あの男の正体』で追求したのは企業ガバナンスの本質

2014年10月6日(月)

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 日経ビジネスオンラインに2011年1月から2013年2月まで毎月連載された牛島信さんの小説『あの男の正体(ハラワタ)』が9月に単行本として刊行された。牛島さんは『株主総会』でデビューして以降、ビジネス・ローヤーとしてM&Aなど第一線で活躍しながら、企業法律小説(ビジネス・ロー・ノベル)を書き続けてきた。

 今回の小説は趣きを変え、女性も多く登場する新境地となっている。執筆の動機、狙いについて牛島さんに寄稿してもらった。

 年商2000億、利益が40億、従業員が2000人の商社がある。海外のブランド物で知られたアパレル商社である。「内外海行」というのが正式の会社名なのだが、海外ではNaigai & C0.として広く知られている。

 上場しているが同族会社である。株の2割を社長が握っているからである。他にも持ち合いや従業員や取引先が株主で、合計は過半数をはるかに超えている。

 社長は南川丈太郎という名の男で1930年生まれである。創業者の娘を妻にしたが、もう長い間夫婦関係は形ばかりになっている。

 南川氏は57歳で常務になった。その時に26歳だった独身の女性秘書が、南川氏が常務から副社長、社長と出世するに連れて、肩書は替わっても一貫して南川氏の秘書をしている。古堂房恵という名も26年間、変わらない。

 60歳で社長になった南川氏は、後継社長を指名し70歳で引退する。

 引退した南川氏は、静岡県の興津という町に、会社を辞めた39歳の古堂房恵と二人で移り住む。幸福な隠遁生活が始まったはずだった。

 しかし、新しい社長が業績に焦るあまり、虚偽の数字を積み重ねてしまう。あげくに辞任し、直後に逮捕される。同族会社である以上、こうした会社の危機には南川氏が再登板するほかない。

 オーナーたる南川氏は、自分は会長になって「あの男」を社長にし実権をすべて委ねる。

 「あの男」は南川氏の秘蔵っ子である。部長だったとき閑職に追われてしまって、そのときに南川氏にチャンスをもらい、劇的なカムバックに成功したのだ。だから、それ以来「あの男」は、南川氏個人にしか恩義は感じない、会社という組織にはなんの興味もないと公言していた。

 本当のところ、南川氏は70歳で引退し興津に隠棲するとき、「あの男」を後継社長にしたかったのである。しかし、「あの男」は南川氏が会社を去ってしまえば、自分にとって会社など空の箱に過ぎないと称し、南川氏に殉死すると言い張って南川氏と同時に辞めてしまったのである。

 だから、南川氏は再登板する際に、どうしてもと「あの男」を口説き落として社長にした。

 ――そこから物語が始まる。

 トップになった「あの男」は1年後に南川氏が亡くなるや、徐々に「正体」を現し始める。

 では、いったい「あの男」の「正体」とは何なのか?

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