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改革は継続だけでは足りなくなった

「中村改革」が息切れした本当の理由

2014年10月6日(月)

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 日経ビジネスは創刊45周年の記念企画として、これまで報道してきた日本企業の改革を改めて分析してみた。歴史的変革の当事者たちが示す革新の条件は、戦略に合わなければ黒字でも事業を入れ替える「決断」と、経営者の生え抜き主義からの「断絶」、そして改革を行うために組織を「横断」的に使うという『「断」の経営』だった。日経ビジネスオンラインでも本誌と連動し、歴史に残る経営改革を振り返り、識者の意見、分析を掲載していく。第1回は、2000年代初めのパナソニックを低迷の危機から救った中村改革と、その後の再度の停滞を捉え直してみた。そこには、今の時代に改革を継続し、企業を持続的成長に導く難しさと突破すべき新たな壁も見える。

(田村賢司)

(写真:清水 盟貴)

 「中村さんには社長になる前から腹案があったんだろう。前任の森下洋一社長の頃にも色んな改革をしたが、はかばかしい成果が上がらなかった。それで、もう抜本的な改革をと考えていたのではないか」

 2000年代初め、松下電器産業(現・パナソニック)を一変させた中村邦夫社長(当時、現・相談役)による改革を、副社長として脇で支えた村山敦氏(現・新関西国際空港相談役)は今、当時をこう振り返る。

 1990年代後半のパナソニックは売上高が7兆5000億円前後で天井を打ったように伸び悩み、営業利益率は5%前後から2%台まで落ち込んでいた。携帯電話以外、伸びる市場もなく、当時柱だったブラウン管テレビは平面テレビの開発でソニーに後れを取り、事業の状況は厳しくなるばかり。

 だが、中村氏がより根深い問題と捉えたのは、松下電器伝統の事業部制が時代に合わなくなってきたことだった。テレビや洗濯機、エアコンなど製品別の本社事業部と松下通信工業、九州松下電器などの上場子会社が、競い合いながら事業を拡大するこの仕組みがむしろ、業績低迷の主因の1つとなっていたのだ。

グループ内競合が目立ち始めていた

 各事業部、子会社が独自の戦略を元に動くため、高度なデバイス技術を基にした開発がしにくく、製品の投入スピード自体も遅れた。販売面でも、各事業部、子会社が系列店を中心に個別に製品を流す構造が続いたせいで、既に大きな勢力となっていた大型量販店を相手に、松下全体で対峙できず交渉力が弱くなる結果ももたらしていた。なにより、グループ内で本体と子会社が同じ事業を手がけるといった重複が弊害として目立ち始めていた。

 例えばデジカメは、パナソニック本体と松下寿電子工業、九州松下が、携帯は松下通信工業と九州松下が、電子ホワイトボードに至っては5つの事業部・子会社が事業を行っていたという有様だった。

 同じ事業に進出すれば、投資も重なるし、販売はライバルとして食い合うことになる。成長の時代なら競い合って伸びることが出来たが、既にその時期は過ぎ、弊害の方が大きくなっていたのである。デジカメなどは、重複投資の結果、高機能化に立ち後れ、競争力を失っていたとさえ言われた。

 当時、取締役の一人でもあった前出の村山氏は「かつては、(事業部が中心の運営だったから)事業部が出してくる計画が黒字見込みだったらほとんどはゴーだった。それが松下の伝統でもあった」と打ち明ける。

「「断」の経営 当事者が明かす変革の真実」のバックナンバー

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「改革は継続だけでは足りなくなった」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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