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世界の供給網で高まる人権リスク

商社がCSR調達で立ち向かう

2014年10月6日(月)

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 グローバル経営に伴って企業のサプライチェーンが世界に広がるなか、取引先が引き起こす環境や人権の問題に発注元の企業が巻き込まれるケースが増えている。取引先や調達先に環境や人権への配慮を守らせていかに「CSR調達」するか。世界に供給網を持つ商社の取り組みに焦点を当てる。

 今年に入ってから企業団を引き連れて外国歴訪を精力的にこなしている安倍首相。1月にアフリカ諸国やインド、7~8月に中南米、9月にバングラデシュやスリランカを訪れ、資源開発やインフラ整備に日本技術のトップセールスを展開した。

 インドやバングラデシュには約30社の日本企業が、中南米には約70社が同行し、技術の売り込みに攻勢をかけた。今後5年以内にインドに進出する日系企業を倍増させることも首脳会談で決まった。積極的な安倍外交により日本企業の海外進出が加速するのは間違いない。

 そこで心配されるのが、日本企業の「CSR(企業の社会的責任)調達」の遅れだ。サプライチェーンは新興国を中心に急速に拡大している。自社だけでなく、取引先や調達先(サプライヤー)に対しても人権や環境、労働、地域社会への配慮などのCSRを求めるのが、「CSR調達」である。

 1次サプライヤーだけでなく、そこに部品を納める2次サプライヤーも含む、サプライチェーン全体に目配せしなければいけない時代になった。もしサプライヤーに環境破壊や人権侵害があれば、発注元の企業も責任を問われるようになってきた。

■サプライチェーンに広がる人権リスク
出所:富士ゼロックスの資料を基に作成
日経エコロジー2014年2月号24ページより転載

 その1例が2013年4月にバングラデシュで起きた、縫製工場の入居した8階建てビルの崩壊事件だ。1000人以上が死亡したのは記憶に新しい。建物の安全性を確認していなかったとして非難を浴びたのは、地元の縫製会社ばかりではなく、この縫製工場に生産を委託していた欧米のアパレル企業だった。

サプライヤーの人権侵害で苦い経験をした日立

 日本企業が批判を受ける例も出てきた。日立製作所が2011年に経験した。日立の部品調達先企業のマレーシア工場で、ミャンマー人移民労働者が処遇を巡って工場側とトラブルになり、労働者を支援する人権活動家とこの部品メーカーとの間で訴訟が起きた。それを契機に世界の人権活動家やNGOが激しい攻撃を展開、矛先は日立にも向けられた。世界の日立の支社に抗議メールが殺到し、デモ隊まで出現。騒動は半年ほど続いたという。

 「サプライヤーの人権問題が発注元の自社にも及ぶことを初めて痛感した」と、当時事態の収拾に当たったCSR担当の牛島慶一氏(現、EY総合研究所ビジネス調査部の主席研究員)は振り返る。日立にとってこの部品メーカーは数あるサプライヤーの1社にすぎなかったが、国際社会は「ブランド力も影響力もある日立の部品を生産している工場で人権侵害が起きた」とみなしたのだ。

 この経験は日立を“人権先進企業”へと変えるきっかけになった。2013年に「日立グループ人権方針」を策定し、社是とほぼ同じ高さに掲げた。「人権デューデリジェンス」という人権問題を点検して改善する仕組みもいち早く取り入れた。昨今、人権方針を策定する日本企業は増えつつあるが、社是と同じレベルにまで掲げた企業は日立がほぼ初めてだと言ってよい。

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