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部下に同じことを100回言えますか?

ゴータム・ムクンダ助教授に聞く(2)

2014年10月17日(金)

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ゴータム・ムクンダ
Gautam Mukunda

ハーバードビジネススクール助教授。専門は組織行動。MBAプログラムにて1年目必修科目である「リーダーシップと組織行動」を教えている。リーダーシップ、国際関係論、技術革新の政治・社会への影響を専門に研究。元マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタント。近著に"Indispensable: When Leaders Really Matter," (Harvard Business Review Press 2012).

 2012年に著書『インディスペンサブル』(原題)を上梓したハーバードビジネススクールのゴータム・ムクンダ助教授。リンカーン、チャーチルなど過去のリーダーを検証し、リーダーは代替可能な人(=ディスペンサブル)と代替不可能な人(インディスペンサブル)の2つに分類されると結論づけた本が話題を呼び、英BBC、米CNBC、ワシントンポストなど、多くのメディアでとりあげられた。『イノベーションのジレンマ』の著者として有名な同校のクレイトン・クリステンセン教授は、「これはすごい本だ。この本を読んで自分があまりにもリーダーの選抜方法について単純に考えてきたことが分かった」と絶賛したほどだ。

 ムクンダ助教授に、著書『インディスペンサブル』、日本のリーダーシップ、授業「リーダーシップと組織行動」について話を伺った。

報酬のためにリーダーになりたい人はリーダー失格

佐藤:先生は、世界的な資源企業、アングロ・アメリカン社のシンシア・キャロル前CEO(現日立製作所社外取締役)について研究し、教材を書かれていますね。またこのケースを「リーダーシップと組織行動」の授業でも取り上げたと伺っています。シンシア・キャロルは、同社の死亡事故を劇的に減らし、業界スタンダードを変えた立役者です。なぜ彼女を主人公にして、教材を書こうと思われたのでしょうか?

ムクンダ:シンシア・キャロルの事例からは、多くのことを学べると思ったからです。その大胆で勇気ある行動に興味をひかれました。

佐藤 智恵(聞き手)
1970年兵庫県生まれ。1992年東京大学教養学部卒業後、NHK入局。報道番組や音楽番組のディレクターとして7年間勤務した後、退局。2000年1月米コロンビア大学経営大学院留学、翌年5月MBA(経営学修士)取得。ボストンコンサルティンググループ、外資系テレビ局などを経て、2012年より作家/コンサルタントとして独立。2004年よりコロンビア大学経営大学院の入学面接官。ウェブサイトはこちら

佐藤:たとえばどんな部分でしょうか?

ムクンダ:3つの点から興味を持ちました。まず1つ目は、これは難しい組織変革の成功例だということです。実際に彼女に会い研究を進めるにつれて、彼女が数多くの変革を成し遂げたことが分かってきました。こんな大胆な組織改革の事例は見たこともありません。社員18万人の企業に外部からCEOに就任し、いきなり「これまでの作業中の事故死を容認するようなやり方は容認できません。だから一緒に変えていきましょう」と言いきり、驚異的な努力で組織を変えたのですから。これ以上の組織改革の事例はないでしょう。

 2つ目は、これは偉業を成し遂げた女性リーダーの事例だということです。ハーバードでも女性リーダーの教材はまだまだ少なく、学生がこの話をきちんと理解できるように、自ら教材を書こうと思いました。

 3つ目が、この事例は勇気こそがリーダーシップだと教えてくれること。これを読めば、本当に偉大なリーダーになるのに必要なのは、他の人がやりたくないようなことをやりきる勇気だということが分かります。シンシア・キャロルは、鉱山を一時閉鎖し、産業全体を変革しました。「皆さんのほとんどが反対するでしょう。それでも私は閉鎖します」と言うのにどれほどの勇気が必要だったか。学生が、勇気こそがリーダーシップの重要な要素だということを理解することはとても重要だと思っています。

佐藤:授業でシンシア・キャロルの事例をとりあげたとき、冒頭で学生に「机の下にもぐりなさい」と言ったそうですね。

ムクンダ:鉱山で働くとはどういうことかというのを知ってほしかったのです。暑いし、湿気はすごいし、暗いし、作業音でうるさい。私も実際に南アフリカのラステンバーグ鉱山を見学したことがあるのですが、作業場は高さ1メートルのスペースしかありませんでした。ちょうどハーバードの教室の机と同じ高さです。もぐったままの姿勢で12時間働くとはどういうことか、少しでも理解してほしいと思いました。

佐藤:頭ではなく、体で理解してほしかったということですね。

ムクンダ:鉱山に連れていけないですからね。ただ、自分で体験したことは記憶に残りますから、学生に「授業で机の下にもぐった経験は決して忘れないだろう」と言ったのを覚えています。

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「部下に同じことを100回言えますか?」の著者

佐藤 智恵

佐藤 智恵(さとう・ちえ)

作家/コラムニスト/コンサルタント

1992年東京大学教養学部卒。NHKにて番組ディレクターを務めた後、2000年1月米コロンビア大学経営大学院留学、翌年5月MBA取得。ボストンコンサルティング、外資系テレビ局などを経て2012年独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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