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香港デモの背後に米国政府のかげ

2014年10月7日(火)

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 香港の街頭抗議デモが始まって10日が経とうとしている。デモの中心的な役割を担っている学生たちが、米国政府から支援を受けているという情報がある。

 北京寄りの香港紙「文匯報」は、抗議デモの先頭に立ってシュプレヒコールを上げる17歳のリーダー、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)君が、米中央情報局(CIA)から資金援助を受けていると書いた。だがウォン君はそんな事実はないと否定している。

 CIAが中国の民主化を推進するため、中国国内の活動家に水面下で接触することは珍しいことではないはずだ。金銭面だけでなく、反政府運動の組織化などを支援することはCIAの役割でもある。相手が17歳の若きリーダーであってもだ。

 「時の人」として注目を集めているウォン君。13歳の時には既に、中国本土と香港を結ぶ高速鉄道の建設計画に反対する政治運動に参加していた。米ウォールストリート・ジャーナルは、米政府がその時点からウォン君を親米派の政治活動家に養成する意図があったと記している。香港の米領事館にウォン君が頻繁に出入りしていたばかりか、全米商工会議所がウォン君家族をマカオに招待したとの報道さえある。
(“Pro-Beijing Media Accuses Hong Kong Student Leader of U.S. Government Ties,” Isabella Steger, the Wall Street Journal, 9/25/2014)

 真偽は定かでないが、米政府が1989年の天安門事件以来、反政府運動において労働者よりも学生を重視するようになっているとの見方もある。

 17歳という若さで数万人のデモ参加者を先導するのは並大抵のことではない。米政府が思想的、経済的にウォン君を支援していた可能性は捨てきれない。

NEDを通じて世界の民主化を支援

 バラク・オバマ米大統領は抗議デモについて、中国の王毅外相に「状況を注視しており、平和的な対応を期待する」と当たり障りのないコメントをした。米国にとって、中国は戦略的にも経済的にも重要国であることは疑いようがない。

 経済的には世界最大の市場であり、無視できないというより、積極的に互恵関係を強化している国である。一方で、共産党の安全保障政策などには疑問を呈しており、相反する思いが交錯する。

 ジョン・ケリー国務長官は、「香港当局が自重し、抗議デモという表現の自由を尊重することを強く要望する。自治や法治が約束された社会であることこそが香港に安定と繁栄をもたらすはずだ」とオバマ大統領よりも一歩踏み込んだ発言をしている。

 ホワイトハウスよりも国務省の対中政策の方が強硬であるように見える。国務省が資金を提供している全米民主主義基金(NED)という非営利団体が香港のデモに関与しているからだ。NEDは世界中の国々で民主主義の重要性を説くと同時に、さまざまな団体に資金を提供して民主化運動を進めている。設立されたのは1983年。それ以前はCIAが民主化運動を世界中で支援する役割を担ってきた。

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「香港デモの背後に米国政府のかげ」の著者

堀田 佳男

堀田 佳男(ほった・よしお)

ジャーナリスト

1957年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業後、アメリカン大学大学院国際関係課程修了。米情報調査会社勤務後、90年にジャーナリストとして独立。政治、経済、社会問題で取材活動をつづけ、滞米25年後に帰国。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師