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日本型「改革遅れ病」の原因と処方箋はここにある

2014年10月9日(木)

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改革に取り組み、実行し、成功させるために、経営者には何が必要なのか。長期に渡る停滞、改革の遅れの原因は何か。経営、経済学者など気鋭の論客4人に日本企業を弱くしたものと再生策を聞いた。

(田村賢司)

経営改革に成功する企業が少しずつ出てきた。特に電機産業は特徴的だが、低迷も長かった。なぜ、長期に渡って変われなかったのか。

入山 章栄(いりやま・あきえ)
早稲田大学ビジネススクール准教授。三菱総合研究所、米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授などを経て、2013年から現職。

入山:組織というものは基本的に自ら変われない。特に大きくなるほど変われないものだ。大体の日本企業は、生え抜きが社長になっており、そうすると既存の仕組みをなかなか変えにくい。改革が必要な時に生え抜きでは既存のものを壊しきれない。

 分析すると大企業の場合、オーナー企業の方が業績がいい。それも同様の理由だ。オーナーが経営者だから短期的に利益を上げるようなプレッシャーを受けず、長期的な経営が出来るし、必要な改革に辣腕を振るえる利点があるからだろう。

 ソニーの停滞がしばしば問題になる。逆説的だが、同社に今必要なのは、業績がすぐに回復しないからといって経営者のクビを切らないことだ。長期のビジョンを打ち出し、一貫してやり抜くこと。日本企業に必要なのは実行力だ。

日本企業に長期経営はなかった!?

野口 悠紀雄(のぐち・ゆきお)
早稲田大学大学院ファイナンス研究科顧問。大蔵省(現・財務省)から、一橋大学経済学部教授、東京大学先端科学技術研究センター教授などを経て、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授、2011年4月から現職。(写真:陶山 勉)

野口:経営者の仕事は、ひと言で言えばビジネスモデルを組み立てることだ。しかし、日本企業の経営者は現場の声に引っ張られすぎる。例えば、1980年代に、日本の半導体産業は世界一だったが、その後衰退した。日本のDRAM(半導体メモリー)は、メインフレーム(汎用大型コンピューター)向けの高品質品で勝ったが、コンピューターの市場がパソコン中心に変わった90年代になると、韓国勢に押されてシェアを失っていった。

 一方、80年代に日本にやられた米国は、インテルがDRAMから撤退し、CPU(中央演算装置)に事業を集中して再生した。日本は、経営者が市場の変化を見て自分で判断せず、現場の声を聞きすぎたからそうなった。現場の技術者、営業は自分で事業に携わっているから「まだやれる」「質はうちの方がいい」と言ってしまう。それを無視する必要はないが、聞きすぎたらだめ。経営者というものは、もっと大胆に判断しないといけない。

半導体の例もDRAMだと2000年には、韓国に完全にシェアを逆転されている。それから10年以上も経っている。それでも改革は進まなかった。

三品 和広(みしな・かずひろ)
神戸大学大学院経営学研究科教授。米ハーバード大学ビジネススクール助教授、北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科助教授、年神戸大学大学院経営学研究科助教授を経て、2004年から現職。(写真:陶山 勉)

三品:まず考えなければいけないのは、日本は1997年になってようやく本当の資本主義の時代に入ったということだ。この時、金融ビッグバンが始まり、以後2000年代初めにかけて様々な改革が行われた。その1つに金融商品の時価会計化や連結決算重視への転換などがある。

 これによって、それまで業績が悪化すると期末に保有株を売って利益をかさ上げしたり、調子の良くない事業を子会社に移して本体の業績を良く見せたりできたのが、そうはいかなくなった。本当の資本主義の時代に入ってからだと15年程度だと考えれば、頷ける面もある。


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「日本型「改革遅れ病」の原因と処方箋はここにある」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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