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“文化の違い”を軽く見て経営統合が徒労に終わった会社の顛末

2014年10月20日(月)

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 「 “文化の違い”については、もっと真剣に捉えるべきだった」。
これは、ある会社(X社」とします)のM&A担当役員が、一連のM&A(合併・買収)を収拾させた後、呟いた言葉です。

 「“文化の違い”なんて乗り越えられるものだと思っていたし、乗り越えるべきものだと思っていた。“文化の違い”が、こんな深刻な事態になるなんて、大きな誤算だった…」。

 X社は、将来A社を完全子会社化し、ひいては経営統合することを視野に入れ、5年くらい前に、資本業務提携を締結しました。最初から完全子会社化しなかったのは、一歩ずつ確実に事業統合を進めていくためです。というのもA社は、サービス業でしたので、企業価値を高めるうえで従業員のモチベーションが現場でのスムーズなオペレーションを決定づけることをよく理解していたためです。

 提携後3年ほど経った頃、X社の経営陣は、事業上それなりのシナジー効果が創出できると確信し、A社の完全子会社化を決めました。

 しかしながらX社内では、完全子会社化を前にして「一部の事業では確かに相応のシナジー効果が見込める。でもお互いのことを知れば知るほど、文化の違いが大き過ぎることが気になって仕方がない。ここまで考え方が異なると、果たして将来経営統合までもっていけるのか不安」との声がささやかれていました。

 その声は経営陣にも届けられましたが「“文化の違い”なんてどこにでもあること。それを乗り越えることこそがM&Aなのだ!」という鶴の一声で、“文化の違い”に対する特段の手当ては何もなされないまま、完全子会社化が完了しました。

 完全子会社化の直後、X社は、当初シナジー効果を期待していた事業領域以外においても、さらに多くのシナジー効果を創出すべく、全社的なプロジェクトチームを組成しました。

座る位置で「異文化の戸惑い」

 そのプロジェクトでのある分科会における出来事です。

 初回の会議が開催される会議室のドアを開けたとたん、私たちが見たのは、困惑した表情の方々が所在なさげに立っている光景でした。

 会議室には、ロの字に並べられた長机と椅子が20脚ほどあり、X社とA社の両社から15人ほどの方が来られていました。椅子は人数分あるのに、誰も椅子に座っていません。

 会議が開催されたのは、親会社であるX社の建物。A社は招かれた客。A社の一部の事業はすでにX社の事業と統合されているとはいえ、この会議に集まった部門の方々にとって、統合はまだ先の話。

 こういう時、A社は客として、上座に座っていいのか?

 躊躇するA社に、親会社であるX社のどなたかが席をすすめれば良かったのでしょうが、そういう配慮はなされず「どう座りましょうか?」と誰も動けずにいたようです。

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「“文化の違い”を軽く見て経営統合が徒労に終わった会社の顛末」の著者

岡 俊子

岡 俊子(おか・としこ)

マーバルパートナーズ社長

一橋大学卒、米ペンシルベニア大学経営大学院MBA(経営学修士)。2005年4月より、アビームM&Aコンサルティング株式会社(現:株式会社マーバルパートナーズ)代表取締役社長に就任し、現在に至る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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