• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

第4回:関門突破、いよいよ製品化、余勢をかって一気にレーザも

  • 仲森 智博

バックナンバー

2014年10月14日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

赤崎勇・名城大学教授、天野浩・名古屋大学教授、中村修二・米カリフォルニア大学教授が2014年のノーベル物理学賞を受賞した。ここでは、中村氏が窒化ガリウム(GaN)系青色LEDの研究に着手し製品化にこぎ着けるまでの開発ストーリーを紹介した1995年1~3月当時の日経エレクトロニクスの記事を基に、2009年「日経テクノロジーオンライン」に掲載した記事を再掲載する。

高輝度青色発光ダイオード開発物語の最終回。第1回から第3回では、開発者の中村修二氏が入社してから初めて青色発光ダイオードが光るまでを追った。今回はいよいよ大団円。高輝度発光ダイオードが完成する。最初のGaN発光ダイオードは光ったが、暗かった。中村氏はpn接合型からダブルヘテロ構造への転換を決意する。ここからは速い。開発はトントン拍子に進み、ダブルヘテロ構造に不純物を入れて発光中心を設け、1cdの輝度を実現、製品化にこぎつけた。信号機など、応用機器も続々現れ始めた。

 1992年4月、米国から帰国した中村氏は、ダブルヘテロ構造の実現を目指し、InGaN膜の成長に没頭する(表1)。ダブルヘテロ構造をGaN発光ダイオードに導入すれば、輝度は格段に向上するはずだ注1)

表1 青色発光ダイオードの開発過程

注1)この当時完成していたのは、pn接合型の発光ダイオードである。pn接合型は、p型とn型の半導体を接合させただけの、単純な構造になっている。pn接合に順バイアスを加えて電子を注入し、ホールに再接合するとき光が発生する。一方のダブルヘテロ構造の発光ダイオードは、発光層よりエネルギ・ギャップが大きい半導体層で発光層を挟み込んでいる。発光層と周囲の半導体層との接合が、両側ともヘテロ接合(異材料間の接合)になる。pn接合に順バイアスを加えるとき、注入されるキャリアはすべてバンドからバンドへ遷移(再接合)するわけではない。キャリアの大部分は、電極に流れ出してしまい、ムダになる。ダブルヘテロ型の場合、発光層のエネルギ・ギャップは周囲よりも小さくなっている。このため発光層にキャリアが閉じこめられ、再接合の確率が高くなる。このため、ダブルヘテロ構造にすればpn接合型より輝度を高くできる。

 同じころから、中村氏の研究グループに資金と人材が投入され始めた。社長の、製品化に対する意気込みの現れだった。GaN発光ダイオードの研究には、すでに億単位の額を投資してきた。日亜化学工業にしてみれば、清水の舞台から飛びおりるほどの決断である。それが、やっとの思いで光るところまでこぎつけた。それを一日も早く売れるものにしたい。投資を決めたものとして、社長の思いは至極当然なものだろう。

 しかしその思いが、中村氏の行く手をさえぎる大きな障害となった。社長は、少々暗くてもいいから、pn接合型の発光ダイオードを製品化したいとあせる。一方で中村氏は、pn接合型に見切りをつけている。研究を次のステップに進めたい。短期間で成果を出す自信はある。

コメント0

「高輝度青色発光ダイオードの開発」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員