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電力会社が再エネの接続を保留

固定価格買い取り制度(FIT)の本質的欠陥

2014年10月16日(木)

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 北海道、東北、四国、九州、沖縄の各電力会社が、再生可能エネルギー発電設備の接続申し込みに対する回答を一時的に保留するなどして混乱が広がっている。

 太陽光発電など再生可能エネルギー発電設備の立地計画が急速に増え、電力会社には、発電設備の送電線への接続申請が殺到している。その量が急速に拡大し、電力の安定供給が難しくなると考えられるまでになったからだ。背景には、2012年7月に始まった再生可能エネルギー電力の固定価格買い取り制度(FIT)がある。同制度で設定された高額の買い取り価格を理由に、個人から大手まで様々な事業者がメガソーラー(大規模太陽光発電)などを使った発電事業を計画・開始している。

この混乱を招いた原因と、対策を考えてみたい。

固定価格買い取り制度の真の目的とは

 まず、再生可能エネルギー電力の固定価格買い取り制度(FIT)の目的や現状について整理したい。

 固定価格買い取り制度は、「脱原発政策」の1つだと思っている人が多い。しかし、それは大きな誤解だ。

 そもそもは温暖化対策の一環であり、二酸化炭素を発生する化石燃料の使用を抑制する代わりに再生可能エネルギーの導入を促進する制度として、主に欧州で採用されたものである。

 日本でも、民主党政権の誕生とともに鳩山由紀夫元首相が地球温暖化政策の目玉として、2020年に温室効果ガスを1990年比で25%削減するという目標を掲げた。その実現のため、原子力発電の大幅増設と手を携え、この固定価格買い取り制度によって再生可能エネルギーの導入拡大を図る政策を打ち出した。

 この経緯で明白なように、この固定価格買い取り制度は火力発電に代わる低炭素電源の拡大による温暖化対策に主眼があり、原発を代替するエネルギー源を増やすためのものではない。

 一般には、福島第一原発の事故後の、菅直人政権の脱原発政策とともに知名度が上がったため、依然として大半の人々が(メディアも含め)そのように捉えている。しかし、この制度の導入を審議した国の「再生可能エネルギーの全量買い取りに関するプロジェクトチーム」の議事を見れば、委員全員がこの制度を温暖化政策の目玉だと考えていたことは明らかだ。そのうえ、ほとんど知られていないのだが、この制度を導入するためのいわゆる「自然エネルギー法案(正確には『電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案』)」は、奇しくも2011年3月11日の午前中に閣議決定されていたのだ。つまり、原発事故とは全く無関係なのである。

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「電力会社が再エネの接続を保留」の著者

澤 昭裕

澤 昭裕(さわ・あきひろ)

国際環境経済研究所所長

1981年一橋大学卒業、通商産業省入省。1987年プリンストン大学にてMPA取得。資源エネルギー庁資源燃料部政策課長などを経て2004年8月から2008年7月まで東京大学先端科学技術研究センター教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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