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企業参入、成功の方程式

廃虚のなかに宝が眠る

2014年10月17日(金)

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 農業が、再生するには企業参入が必要だ――。「五七五」のリズムがちょっとくずれたようなこのフレーズを、メディアはどれだけくり返してきたことだろう。だが、企業がやればすぐうまくいくようなら、農業はこんな危機的状況にはなっていない。そんななかでも、企業参入の意義を感じさせる例はある。今回取り上げるのは、中部地方を拠点に勢力を広げているスーパー、バローだ。

地域スーパーが廃墟を生産拠点に

 バローはいま、農産物の生産拠点を着々と増やしつつある。例えば、岐阜県海津市の栽培ハウスを訪ねると、甘みの強いフルーツトマトの出荷が始まっていた。一面に広がる栽培ベッドに流れる溶液は、コンピューターで制御している。トマトの根が張るのは微少な穴の開いたフィルムで、そこから肥料や水を供給する。

 岐阜県郡上市にはブナシメジの栽培施設がある。上部のダクトから冷気が流れる栽培用の部屋をいくつか通ると、最終工程の部屋にたどり着く。発光ダイオード(LED)の青い光がうっすら照らす無数の栽培ポットのなかで、ブナシメジがこんもり育っていた。

LEDが照らすブナシメジの栽培施設(群馬県郡上市)

 などと書くと、「さすが企業参入。最先端の施設で画期的な栽培が行われている」といった解説を想像するかもしれない。「強みはほかの農場にはない特色のある味と、これまでの技術ではとうてい実現できなかった劇的なコストの削減」。そんな成果を期待するかもしれない。だが、本題はそこにはない。

 じつはどちらも、いったん廃虚のようにさびれた施設なのだ。トマトハウスはかつて地元の農業法人が補助金を使って建てた施設で、2005年ごろには生産がストップしていた。昨年8月にバローが修理を始める前は、床に雑草が生えて大変な状態になっていた。

 ブナシメジのほうは、地元の協同組合がつくったシイタケの菌床工場だったが、これも6年ほど前に立ちゆかなくなっていた。バローが改修工事を始めたのは昨年9月。菌床をつくる際に出る、タバコのヤニのような色の液体がはねて壁にこびりつき、非常灯には死んだ虫がはりついていた。

バローが改修するまで、ボロボロの状態だった(岐阜県海津市)

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「企業参入、成功の方程式」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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