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花王とイオン、共通する「強さ」の源流

「モーダルシフト」に見る効率重視の企業風土

2014年10月16日(木)

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 今年9月4日から、花王とイオンが共同で物流面で新たな取り組みを始めている。花王のロジスティクス部門とイオン子会社のイオングローバルSCMが、長距離物流において鉄道コンテナを共同利用するプロジェクトだ。まずは、東京‐福岡間の輸送からスタートした。

 仕組みはこうだ。東京から福岡への往路はコンテナに花王の商品を積み込み、逆方向の福岡から東京への復路では同じコンテナにイオンの商品を積む。具体的には、花王が輸送するのは、川崎工場で生産した洗濯洗剤などの商品。一方、イオンが福岡から東京へ輸送するのは、福岡にあるイオンの協力工場で生産する同社のPB(プライベートブランド)「トップバリュ」の飲料品だ。往路・復路ともに同じコンテナに商品を満載にすることで、物流の効率化を図る。

 このプロジェクトは、イオンが花王に提案したものだ。イオンは輸送に伴うコストと二酸化炭素(CO2)排出量を削減する目的から、鉄道輸送などの活用に独自に取り組んできた。だが、「自社だけでの取り組みに限界を感じていた」(イオングローバルSCMの事業本部運営統括部運営管理部の坪井康彦部長)。

 そこでイオンは、トップバリュの生産委託先から商品を全国に輸送する際の長距離幹線輸送に目をつけた。まずは、イオンの幹線ルートとして最も長い1184kmの輸送距離がある東京‐福岡間を対象にすることにした。この構想を実現するには、福岡から東京に商品を運ぶイオンとは逆方向に商品を輸送しており、かつ、イオンと同等の物量を取り扱える企業に参加してもらう必要がある。複数のメーカーに協力を呼びかけたところ、手を上げたのが花王だった。

花王は25年以上前から「モーダルシフト」に注力

 花王もまた、コスト削減の取り組みの中で、長距離輸送をトラックから鉄道や船に切り替える、いわゆる「モーダルシフト」を積極的に推進してきた。500km以上の輸送ルートで鉄道、もしくは船を使う場合のモーダルシフト比率は、既に6割以上になっている。

 だが、この比率は2003年に健康飲料「ヘルシア緑茶」を発売する直前には、実は約7割に達しており、最近は減少傾向にあった。ヘルシアの主力工場がある山口県には花王のニーズに適した鉄道輸送網がなく、ヘルシアの生産量が増えるとともにモーダルシフト率は低下していた。

 さらに、最近は輸送で使える船の数が減っていることに加えて、鉄道でも需要の高まりから輸送枠の確保が難しくなっており、モーダル比率を高めるのに苦労していた。

 だからこそ、鉄道コンテナを共同利用しないかというイオンから誘いに真っ先に手を挙げた。花王のロジシティクス部門の山口裕人部長は、「長距離だけではなく、東京‐大阪のような中距離でも鉄道輸送でイオンと協業できないか検討している」と明かす。

 今年に入り、燃料費の高騰やドライバー不足でトラックの輸送コストが上昇しており、モーダールシフトに取り組む企業が増えている。だが、イオンも花王も、昨今のトラック輸送のコスト上昇が顕著になる以前から、物流効率化の仕組みの1つとしてモーダルシフトに積極的に取り組んでいた。

 実際、花王についてはモーダルシフトの歴史は25年以上前にさかのぼる。中興の祖と呼ばれた丸田芳郎・元社長の時代から、コスト削減のために海上輸送に積極的に取り組んできた。花王の物流センターの多くが、港の近くにあるのはそのためだ。また、1990年に丸田・元社長から経営のバトンを引き継いだ常磐文克・元社長は、「TCR活動」と呼ばれるコスト削減活動の一環として、鉄道輸送に力を注いだ。

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「花王とイオン、共通する「強さ」の源流」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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