• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

また「先行投資」に助けられました

第6回:米倉先生のバズーカ的活躍でプロジェクトは再起動

2014年10月29日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 ソマリランドに日本の大学院を持ち込もうと動き始めた税所篤快さん。意気揚々と日本に帰国したものの、めぼしい成果は上げらないまま、再度ソマリランドを訪問することになった。師匠の米倉誠一郎先生からは戦略性のなさを叱責され、まさにどん底に。しかし、自分で欠点を箇条書きにして反省し、ここからプロジェクトの再スタートを図る。

 こんにちは、税所篤快です。

 前回、ソマリランドでの大学院プロジェクトが空中分解寸前まで追い込まれたことをお話ししました。師匠である一橋大学の米倉誠一郎先生には「もっと頭を使え」と叱咤され、大いに自己反省した夜が明け、次の朝の出来事から話を続けます。

最強の二人で反撃開始

 8月9日朝9時、米倉先生と僕たちは、ソマリランド教育省に向かいました。首都にもかかわらず道路は穴だらけで、移動中の車はジェットコースターのようにガタゴトと揺れます。ソマリランド教育省は2階建ての小学校のような建物で、おそらく世界最小級の教育省ではないでしょうか。

 そこで僕たちを待っていたのは教育省の事務次官のアリさんでした。アリさんは英国で教育を受けたクールガイで、僕たち一同の質問にテキパキと答えてくれました。話が佳境に差し掛かると、すかさず僕はいつもの紙芝居プレゼンをアリさんの前で広げました。

 自分は、数学のテストで2点を取ってから予備校の東進ハイスクールに通い、映像授業をフル活用して早稲田大学に合格。その体験をもとに小さな奇跡をバングラデシュで起こしたこと。そして、いまやアジアや世界にその仕組みが広がりつつあること。アリさんは話を聞きながら身を乗り出しました。

 「素晴らしい!私たちも同じことを考えていた」とデスクの書類の山から1束の資料を取り出しました。それはエチオピアで導入された遠隔教育モデルの詳細レポートのようでした。「トライアルプロジェクトを9月より行います」。そう元気よく告げるとアリさんは嬉しそうに「結果を楽しみにしている」と言ってくれました。

 特にアリさんは米倉先生のことを大変頼りになる人物と見たようで、大変な歓待ぶりです。みんなで何枚も写真を撮りました。

教育省の前で記念撮影。右から3人目が米倉先生

 車内に戻ると米倉先生が「打ち合わせの流れを変えたいいプレゼンだった。アリさんもお前の勢いに押されて、つい協力すると言ってたな(笑)」と久しぶりにほめてくれました。

 「しかしだな、100回やっているプレゼンにしては英語がひどすぎるぞ。My Score was improvingではなくimprovedだろ。I was impressive だと 私は感動させる!になってしまう。I was impressed だ!お前ロンドン大学はおろか、よく早稲田に入れたな」とみっちりご指摘いただきました。

 それでも、昨夜、自己反省してすっきりした僕はしっかり前を見据えることができました。

 次に向かったのは中心部にある私立のADAMS大学でした。エチオピアに本部のあるADAMS大学は、フランチャイズとしてソマリランドにも進出していました。学長はアブディ校長の知人でオマルさん。ソマリランド生まれでインドに留学していたこともある彼はコンピューターの専門家で、公共交通システムを学ぶためにJICAのトレーニングで3カ月間東京に滞在した経験もありました。

「こんにちは!」と和やかに迎えてくれたオマルさんとは、米倉先生が中心になって日本とソマリランドの合同大学院構想の議論をしました。こうして新しいビジョンが見えてきた僕たちはさっそくアブディ校長の執務室で企画書を作り始めました。このときに力になってくれたのは、マッキンゼーのコンサルタントで文部科学省に出向中の中野暎子さんでした。ワタリウム美術館イベントで知り合った彼女は今回のソマリランド遠征の話を聞いて、ぜひに!と東京から急遽加わってくれたのです。企画書を作るのが下手くそな僕は中野さんの助けを借りて今日の議論を一気に形にしていきました。

コメント0

「バングラの“ドラゴン桜”英国へ」のバックナンバー

一覧

「また「先行投資」に助けられました」の著者

税所 篤快

税所 篤快(さいしょ・あつよし)

「e-Education」創業者

NGO「e-Education」創業者。1989年、東京都足立区生まれ。早稲田大学卒業後、英ロンドン大学教育研究所(IOE)修士課程に在籍。同NGOは映像授業を活用しバングラデシュなど17カ国で教育支援を実施している

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

プロフェッショナルとして、勝負どころで安易に妥協するなら仕事をする意味がない。

手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト