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「運命共同体」だが2社では足りない

ファストリの柳井社長が語る、東レの強さと課題

2014年10月27日(月)

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 国内製造業の理想郷――。今の東レはこう表現できるだろう。地道に研究開発に取り組み、良いものを作り続ければ利益を上げられる。前社長は財界の長として君臨し、業績面でも死角が見えない。

 日経ビジネスは10月27日号で「東レ 勝つまでやり切る経営」と題する特集を掲載、同社の強さと課題を分析した。その連動記事の第1回は、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長のインタビューを掲載する。10年超の提携関係を通じて、東レはどう変わったのか。「運命共同体」と公言する柳井氏が語る。

(聞き手は小笠原啓)

保温性下着「ヒートテック」など、「ユニクロ」は大ヒット商品を次々と生み出してきました。それを支えてきたのが、10年を超える東レとの協業関係です。今では年間の取引額は1000億円を超えています。未来の産業の教科書に載るような成功例を、どうやって生み出せたのでしょうか。

柳井:そうですね。恐らく載ると思いますよ。素材を通じて世界を変えようとする東レと、服が変われば世界を変えられると考える我々は、「志」の部分がすごく共通している。だからこそ一心同体になれたのだと思います。そして、お互いの技術と知見をオープンにして、全く新しい商品を生み出してきました。

ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(写真:村田 和聡、以下同)

柳井:こうした関係は、一朝一夕に築けるわけではありません。始まりは十数年前、「日経ビジネス」に載っていた記事を読み、私が東レの前田会長(故前田勝之助・名誉会長)を訪ねたのがきっかけです。前田さんは「グローバルで見れば繊維は成長産業である。今はポテンシャルを開発されていないだけだ」いう信念をお持ちでしたが、私も全く同じことを考えていたのです。

 私はこうお願いしました。「単なるセラーとバイヤーの関係ではなく、もっと本格的に協業したい。ユニクロの専門部署を社長、もしくは会長の直轄組織として作ってほしい」。

 当時の我々は、今ほど企業規模が大きくないし、アパレル業界でも異端児みたいな存在でした。だから、東レの役員の多くは「なぜユニクロと組むのか」と、反対しないまでも疑問に思っていたはずです。既存の取引先に対する遠慮もあったでしょう。

 それでも前田さんが決断してくれた。我々はもちろんのこと、東レも世界に打って出ていくためにお互いの力を必要としていた。そして、今に至る関係が始まりました。

協業を通じて、東レとファーストリテイリングはそれぞれどう変わりましたか。

柳井:顧客のニーズを読んで本当に喜ばれる製品を開発し、それを幅広く販売するのは、製造業である東レだけでは難しい。原材料を作っているだけでは限界がありますからね。マーケティングや最終消費者の嗜好を察知する能力を、我々はかなり東レにインプットできたと思いますよ。東レの可能性を広げたんじゃないか、とも思っています。

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「「運命共同体」だが2社では足りない」の著者

小笠原 啓

小笠原 啓(おがさわら・さとし)

日経ビジネス記者

早稲田大学政治経済学部卒業後、1998年に日経BP社入社。「日経ネットナビ」「日経ビジネス」「日経コンピュータ」の各編集部を経て、2014年9月から現職。製造業を軸に取材活動中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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松﨑 曉 良品計画社長