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あなたは払えますか? 再エネ賦課金2.7兆円

1人2.3万円×20年、これは冗談ではない

  • 竹内 純子

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2014年10月28日(火)

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 「あなたの消費税はもう上がっている」。

 そう言われたら何のことかと思うだろう。消費税が上がっているというのは冗談だ。しかし、それに相当する負担が決まっているというのは残念ながら事実である。

 政府が先日示した試算(注1)によれば、今年6月末までに認定を受けた再生可能エネルギー発電設備がすべて運転を開始した場合、単年度の国民負担が2兆7000億円を超えるというのだ。

注1 新エネルギー小委員会第4回配布資料8
直近の認定量が全て運転開始した場合の賦課金等について

 日本の消費税税率は現在8%、今年度の税収予算は15兆円超である。税率を1%上げれば税収が2兆円程度増えると想定される(注2)ので、2兆7000億円の負担は消費税に換算すれば1.35%分の負担増である。

注2 財務省HP「税制について考えてみよう

「兆」という金額は、現実感が沸きづらい。そこで私たち1人ひとりがいくら負担すればよいかに落とし込んで考えてみるとどうか。

 2兆7000億円を国民の数(1億2000万人)で割ると、なんと約2万3000円にもなるのだ。赤ちゃんからお年寄りまで含めて、1人1年間に2万3000万円である。これが20年間続くとなるとさすがにげんなりする。

 我々はいつの間にこんなに大きな負担を背負うことになったのか。改めて、いま日本が採る再エネ普及策の問題点を、消費者のコスト負担という観点からできるだけ平易に整理したい。

消費者負担うなぎ登りの構造

竹内純子(たけうち・すみこ)
NPO法人 国際環境経済研究所 理事・主席研究員/産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会委員
慶応義塾大学法学部法律学科卒業。1994年東京電力入社。2012年より現職。水芭蕉で有名な国立公園「尾瀬」の自然保護に10年以上携わり、農林水産省生物多様性戦略検討会委員や21世紀東通村環境デザイン検討委員等を歴任。その後、地球温暖化の国際交渉や環境・エネルギー政策への提言活動等に関与し、国連の気候変動枠組条約交渉にも参加。自然保護から原子力損害賠償制度を含むエネルギー政策論まで幅広く、活動・提言を行なっている。消費生活アドバイザー。著書に『みんなの自然をみんなで守る20のヒント』(山と渓谷社)、『誤解だらけの電力問題』(ウェッジ社)。日経ビジネスオンライン「アベノミクスをコケさせない処方箋」。

 FITは、再エネの電気を全量(10kW未満の住宅用太陽光は自家消費分を除いた余剰電力)、固定の価格で長期間買い取ることを約束することで再エネ発電への投資を促すことを目的とする制度だ。簡単に言えば、「あなたが生産した商品(=発電した電気)はすべて、この値段で買い取ります。それを20年間続けます。」と保証することで、「再エネビジネスは儲かりそうだから、一丁やってみるか」という人を増やす制度だ。したがって、この制度の下で始める再エネ事業には、「売りはぐれ」や「不良在庫」、「販売努力」、「価格競争」、「値下げ圧力」といった言葉は、基本的に存在しない。

 再エネ事業者が発電した電気は、法律によって電力会社が買い取りを義務付けられている。電力会社は、買い取った再エネの電気と、自社が発電した電気を合わせて消費者に販売する。

 再エネの買い取り価格は政府の委員会での議論を受けて、経済産業大臣が定める。例えば2012年度に太陽光発電事業を始めた事業者は、その後20年間、発電した電気のすべてを1kWh当たり42円(税込み)で買い取ってもらえると定められた。しかし、電力会社が発電する電気の原価はもっとずっと安い。電源によって単価が違うが、平均して例えば1kWh当たり20円だったとしよう。政府は電力会社にわざわざ高い商品を仕入れて来ることを義務付けるのだから、その差額(1kWh当たり42-20円)は再エネの導入を望んだ国民(=電力の消費者)が負担する。この負担が「賦課金」と言われるものだ。

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