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「炭素繊維」は未来の車を変えるか

立ちはだかる2つの壁

2014年10月29日(水)

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BMWの電気自動車「i3」。炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を車体に採用した

 昨年、ある自動車の登場が東レの社員に大きな衝撃を与えた。独高級車BMWの「iシリーズ」。車体に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を採用した量産車だ。

 「悔しいけれどすごい」。東レで炭素繊維を手掛ける関係者は皆こう口を揃える。

 鉄よりも強くアルミよりも軽い――。炭素繊維は「未来の素材」として早くから自動車向けでの活用が期待されていた。しかし、高いコストがネックとなり、レーシングカーや一部高級車に留まり、量産車では全くと言っていいほど採用されていなかった。

 BMWのiシリーズが関係者を驚かせたのは、その価格だ。EV(電気自動車)のi3は500万円弱と、これまでCFRPを採用してきた高級車の半分以下。CFRPの加工工程をBMW傘下の子会社が手掛けることで、コストを最大限抑えることに成功した。

 「iシリーズの登場で、炭素繊維を量産車にも採用していこうとする機運は高まっている」。東レグループ内でCFRPの加工を手掛ける東レ・カーボンマジック(滋賀県米原市)の安藤伸哉社長は期待を込める。

 東レの炭素繊維事業と言えば、米ボーイングと新型旅客機「ボーイング787」向けに独占供給契約を結んだことで知られる。しかし、いまだ炭素繊維部門の売上高は約1100億円にとどまる。自動車、特に量産車への採用は同社にとって長年の課題だった。

しかし、量産車への挑戦は一筋縄ではいかない。2つの壁が東レの前に立ちはだかる。

鉄鋼メーカーの意地

 「彼らってどこまで本気なんですかね」

 鉄鋼メーカーに取材中、炭素繊維の話になったところで担当者がこう聞いてきた。彼ら、とは東レを含む炭素繊維メーカーのことだ。自動車は一部の部品や内外装に樹脂やアルミなどを採用しているが、基本的には鉄の塊だ。金型でバンバンと作れる鉄は量産しやすく、コストメリットは高い。鉄鋼メーカーと自動車メーカーとの間には長くて深い蜜月関係が結ばれているのだ。東レの前に立ちはだかる1つ目の壁、それは「鉄鋼メーカー」の牙城だ。

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「「炭素繊維」は未来の車を変えるか」の著者

齊藤 美保

齊藤 美保(さいとう・みほ)

日経ビジネス記者

2011年中央大学法学部卒業。同年、日本経済新聞社に入社。産業部にて電機、IT、自動車業界を担当した後に、2014年3月から日経ビジネス編集部に出向。精密業界を中心に製造業全般を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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