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クロキリが美味い3つの秘密

先代社長から受け継いだ品質重視

2014年11月10日(月)

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 国内芋焼酎シェアの4割を握る霧島酒造。年間販売量は4500万本(一升瓶換算)に達し、そのうち芋焼酎「黒霧島」(通称クロキリ)が85%を占める。2014年3月期の売上高は565億円。

 クロキリは1998年に発売し、14年で焼酎業界の王者として君臨した麦焼酎「いいちこ」を作る三和酒類の売上高を抜いた。11月10日号「黒霧島5000日戦争」特集では、商品の開発から販売に至る全軌跡を紹介した。消費者が支持したのは、他の焼酎よりもやはり美味いからだろうが、芋臭くない独特の風味を作り出す過程は書き切れていない。

 高い品質をどう実現しているのか。一般の工場見学ルートでは入れない舞台裏から、その秘密に迫る。

連立方程式のようなブレンド比率

 30:22:32:16――。作業服に身を包んだ社員が、真剣な表情で日誌に何やら数字を書き込んでいる。複雑な連立方程式のような数値の羅列。実は、これは製造後に貯蔵した複数の芋焼酎タンクを、どのような割合で混ぜ合わせるかを書き留めた「門外不出」のブレンド比率。この人物は酒質管理部ブレンダー課の上瀧正智係長である。

 上瀧係長は机の上に複数のボトルを並べ、時に香りを嗅いだかと思えば、次には少量を口に含み入れる。そして、せっせと日誌に評価を書き込む。その項目は「甘味」「丸味」「苦味」「辛味」「渋味」といった18もの分野に上る。蒸留直後の原酒にそれぞれ7段階で評点を付けた上、どのボトルを混ぜ合わせるのが最適かを判断する。

 なぜ、こんな面倒な作業を行うのか。上瀧係長は、会社の屋台骨であるクロキリのブレンドを担当する。霧島酒造は増産を進めた結果、現在4つの工場を保有している。各工場が同じ原料と水を使って生産するものの、実は場所によって風味が多少異なる焼酎ができるという。これを業界用語で「蔵癖(くらぐせ)」と呼ぶ。

 例えば、本社工場は味わいのしっかりした原酒となり、少し離れた場所にある工場では軽快な風味に仕上がるという。上瀧係長は「複数の原酒をうまく調合することで、高品質の風味を目指している」と語る。

 霧島酒造の焼酎貯蔵タンクは300キロリットル級が158本もある。クロキリはそのうち10本以上のタンクを選んだうえ、それらを数本ずつまとめた4~5組に分けて調合を行う。これには上記の数値が示すように、かなり気を張り詰めた作業が待ち構える。

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「黒霧島 5000日戦争」のバックナンバー

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「クロキリが美味い3つの秘密」の著者

馬場 燃

馬場 燃(ばば・もゆる)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社の経済部などを経て、2012年4月から日経ビジネス記者。電機・IT業界を担当している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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