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バーベキュー、宅配します

秋間信人レポート@シンガポール

2014年11月14日(金)

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 「来週からシンガポールに行ってくれ」。そんな辞令は、もはや珍しくない。チャイナ・プラス・ワンと呼ばれる東南アジアの国々への企業の関心は高い。ビジネスパーソンの「仕事場」として、「日々を生きる場」として、そこはどんなところで、何を知っておくべきなのか。本コラムは、シンガポールで奮闘するビジネスパーソンたちの生の声を追った現地報告である。そこには様々な苦労があり、手応えがある。確かなのは、閉塞する日本から飛び出したビジネスパーソンの眼は輝いているということだ。

 シンガポールの事情、およびそこにいる日本人について詳しいビジネスマンがいる。秋間信人。31歳。シンガポールに住む在留邦人向けにバーベキュー素材の宅配業をひとりで始めた男だ。

 2012年に開業し、2年間で2600人の客にバーベキュー素材を宅配した。肉や魚を仕入れて、切り分けて、タクシーと自分の足を使って運ぶ。自動車は高額だから、まだ会社の業務用車両を買う金はない。現在は宅配便も使用しているが、当初は宅配会社の仕事の質が低く、また顧客の反応を自分で確かめたいと考えて、自力で運んでいたという。苦闘しながら必死に生きている起業家だ。

オレは半沢直樹よりBBQ

 秋間は日本の大学を出て日興証券に入社。6年8カ月勤めて、退社した。

 「証券に蔓延する『半沢直樹』的な雰囲気と自分の人生の方向性が合わないと思ったのと、海外で働きたい、仕事を通して成長したいという気持ちからです」

 大学時代、あるいはサラリーマン時代に何度かシンガポールを訪れて、いい国だと思ったという。それで起業するためにやってきたのだが、現実は甘くなかった。家賃が高かったため、最初の頃は、世話になっていた企業経営者の住むコンドミニアムの3畳一間のメイド部屋に住んでいた。

「駐在の方々はコンドミニアムに暮らしています。日本で言うマンションですね。家賃は3ベッドルームで40万円から70万円。プールとバーベキューをするエリアがあり、週末になると、みなさん、バーベキューをします。私はそこへ素材を運んでいくわけです。調理はできません。ケータリング業者の免許がいるので、調理してはいけないのです。

 お陰様で2年間で2600人のお客様に宅配しましたが、ローカル(シンガポール人)のお客様は全体の2~3%といったところでしょうか。一度、ローカルのお客様に宅配した時、『だれも料理できる人間はいないよ。焼いてくれなきゃ困る』と言われ、恐る恐る調理したこともあります。シンガポールの人たちは自宅で料理することは少ない。外食もしくは惣菜を買ってきて食べています」

 秋間は発展途上の起業家である。それだからこそ、シンガポールというマーケットをよく見ている。シンガポール人、日本人駐在員の生活をよく調べている。彼の書いたレポートを読むと、日本人ビジネスパーソンにとって見過ごすことのできないシンガポールの長所短所が分かる。

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「バーベキュー、宅配します」の著者

野地 秩嘉

野地 秩嘉(のじ・つねよし)

ノンフィクション作家

1957年、東京生まれ。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポ、ビジネス、食、芸術、海外文化など幅広い分野で執筆。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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