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韓国はなぜ「法治」を目指さないのか

「儒教国家群」を岡本隆司准教授と読み解く(1)

2014年11月13日(木)

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 韓国はなぜ、法治国家を目指さないのだろうか――。京都府立大学の岡本隆司准教授に聞いた(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

法治が性に合わない韓国人

「儒教国家では法は重視されない」という岡本先生のご指摘に膝を打ちました。記事のその部分に感銘を受けた読者も多かったのです。

鈴置:「『米国の上着』と『中国の下着』をまとう韓国人」で紹介したご意見のことです。

 産経新聞の前のソウル支局長が韓国の検察に起訴されました。朝鮮日報を引用した記事が、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の名誉を棄損と見なされたのです。ところが“原典”の朝鮮日報にはおとがめなし。

 要は「産経は日頃、韓国の悪口を言っている不快な新聞だからやっつけろ」という感情を露わにした起訴だったのです。しかし、韓国の法曹界――例えば、弁護士団体はこの、法の恣意的な適用に何の疑問も呈しませんでした(「北朝鮮にどんどん似てきた韓国」参照)。

 4月の旅客船「セウォル号」沈没事件でも、遺族が強い影響力を持つ真相調査委員会に捜査権と起訴権を与えるべきだ、との声が上がりました。

 普通の国では認めていない、被害者が加害者を裁く「自救行為」に当たる可能性が大です。でも、これに賛成する韓国人が43.0%もいました(「『米国の上着』と『中国の下着』をまとう韓国人」参照)。

 完全な法治国家は存在しないと思います。でも、韓国は法治を目指そうとさえしないことが明らかになってきた。「なぜ、韓国は法治国家になろうとしないのか」を研究する必要が高まりました。

今も、儒教が発想のベース

岡本隆司(おかもと・たかし)
京都府立大学文学部准教授。1965年京都市生まれ。神戸大学大学院文学研究科修士課程修了、京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(文学)。専門は近代アジア史。多言語の史料を駆使した精緻な考証で、現代の問題にもつながる新たな歴史像を解き明かす。主な著書に『近代中国と海関』(名古屋大学出版会、1999年、大平正芳記念賞受賞)、『属国と自主のあいだ』(名古屋大学出版会、2004年、サントリー学芸賞受賞)、『馬建忠の中国近代』(京都大学学術出版会、2007年)、『世界のなかの日清韓関係史』(講談社選書メチエ、2008年)、『中国「反日」の源流』(講談社選書メチエ、2011年)、『李鴻章』(岩波新書、2011年)、『ラザフォード・オルコック』(ウェッジ選書、2012年)、『近代中国史』(ちくま新書、2013年)、『中国経済史』(名古屋大学出版会、2013年、編著)、『出使日記の時代』(名古屋大学出版会、2014年、共著)、『宗主権の世界史』(名古屋大学出版会、2014年、編著)などがある。(写真:鈴木愛子、以下同)

岡本:ひとことで言えば、韓国人のモノの考え方のベースに儒教があるからでしょう。中国人もそうでして、韓国人と発想が似ています。

 ちなみに冗談ではなく、中国では「法治」の重要性が常に説かれます。もちろんこれは「法治」がキチンと行われていないことを意味します。10月下旬に開かれた中国共産党の4中全会でも、「法治」が繰り返し謳われました。

 習近平政権の政策方針は、揺るぎない権力の掌握と社会の安定を目指し、政府・党の高官・要人にも腐敗追及の手を緩めず、統制を加えることです。

 その根拠に「法治」を持ってこようとしているのです。背景に、違法と汚職の蔓延という現状があるのは言うまでもありません。

 同時に、西側に対する宣伝でもあるでしょう。「そちらがうるさく言ってくる『法治』はちゃんと尊重しているぞ」との表明です。

 もちろん、三権分立など西側をモデルにした「rule of law」(法治あるいは法の支配)を目指しているのではありません。西側のそれは法がすべてを「支配」し、最終的に行き着くところは法律になる、というシステムですから。

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「韓国はなぜ「法治」を目指さないのか」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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