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麦焼酎「いいちこ」の反撃始まる

芋に押され減収基調の10年

2014年11月13日(木)

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 芋焼酎の「黒霧島」(通称クロキリ)を発売する宮崎県の霧島酒造は2012年、それまで本格焼酎業界でトップに君臨していた大分県の三和酒類を売上高で抜き、トップに立った。クロキリ発売から14年目のことだった。

 クロキリ旋風に対して、麦焼酎「いいちこ」を製造・販売する三和酒類は近年、苦戦をしている。売上高は2004年7月期の587億円をピークにその後は減少傾向にあり、2013年7月期の売上高は500億円まで落ち込んだ。そしてこのほど発表した2014年7月期の売上高は482億円とついに500億円を割り込んでしまった。最盛期に比べ約2割、100億円以上の減収となった。

「いいちこ」の地元でもクロキリが

 霧島酒造の営業部隊がかつて猛攻をかけた福岡市。博多駅前にある玄界灘の新鮮な魚料理が人気のある居酒屋でも、焼酎王座の交代劇が垣間見える。厨房の棚には飲み客がキープしている黒霧島のボトルがずらりと並ぶ。

 「以前はいいちこのボトルが並んどったんよ。でも、だんだん少なくなって気が付いたら1本も置かなくなっていたねえ。霧島酒造の営業さん、よう来るけんね」。女将は棚を指さしてこう語る。居合わせた飲み客も「焼酎は芋が好きやけん、クロキリが定番やね」とこれに応える。

 福岡市の酒類卸大手「ヤマエ久野」の堂原久稔・酒類部次長は「霧島酒造のローラー営業はすさまじかった。クロキリの無料サンプルの大量配布も奏功した。それがシェア上昇につながった」と話す。

麦焼酎「いいちこ」は本格焼酎市場でシェアトップを保ってきた

 「いいちこ」の優位性は地元、大分県宇佐市でも揺らぎつつある。大分県は鹿児島県、宮崎県などと同様に日本でも有数の本格焼酎の生産地だ。大分県で作られる本格焼酎のほとんどが麦焼酎だ。

 地元の70代の男性も「焼酎と言えば麦、芋はにおいがきつくてなあ」と語るほどの麦焼酎文化圏だが、ここでも異変が起きている。いくつかの飲食店を回ってみると、ラーメン店の焼酎メニューにも麦焼酎のいいちこと「二階堂」(二階堂酒造)に加えてクロキリがある。

 地元の酒屋では「まだ、麦焼酎の方が売れているけれど、クロキリを始めとする芋焼酎もかなり取り扱いが増えた。もうしばらくすると半々くらいになるんやないかな」と話す。

飲みやすい斬新な焼酎で飛躍する

 三和酒類がいいちこを発売したのは1979年。元々、日本酒メーカーだったが、日本酒大手の九州市場参入や市場の縮小とともに苦境に陥った。打開策として取り組んだのが麦焼酎の製造だった。

 いいちこは香りを抑え、さっぱりした癖のない飲みやすさで特徴を出した。それまで本格焼酎の各蔵元は、原料の香りと癖でお互いの特徴を競い合っていたが、三和酒類は新たな潮流を生み出した。

 それまで焼酎に馴染みのなかった九州以外の消費者や若年層、女性に広く受け入れられた。「下町のナポレオン」をキャッチフレーズに、1980年代の焼酎ブームの火付け役となった。

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「麦焼酎「いいちこ」の反撃始まる」の著者

宇賀神 宰司

宇賀神 宰司(うがじん・さいじ)

日経ビジネス記者

日経クリック、日経ベンチャー(現・トップリーダー編集などを経て、2007年1月から日経ビジネス編集記者。流通、中小ベンチャー、マネジメント、IT(情報技術)を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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