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私が186人の名前と経歴を暗記する理由

ジョシュア・マーゴリス教授に聞く(1)

2014年11月27日(木)

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写真提供:ハーバードビジネススクール水田早枝子氏
ジョシュア・マーゴリス
ハーバードビジネススクール教授。同校クリステンセン教育センター主任教授。専門は経営管理と組織行動。リーダーシップと企業倫理を中心に研究。MBAプログラムにて必修科目「リーダーシップと組織行動」「リーダーシップと企業倫理」、「フィールド」、選択科目「真のリーダーシップ開発」を教える。学生が選ぶ最高の教授賞など、受賞多数。著書に“People and Profits?: The Search for A Link Between A Company's Social and Financial Performance”(Psychology Press)

 ハーバードでリーダーシップを教えて14年。ジョシュア・マーゴリス教授は、ケースメソッドのプロフェッショナルである。ケースメソッドとは、通常の講義形式とは全く異なるハーバード独自の教授法。学生の議論だけで授業が進行し、教授はファシリテーターに徹する。ハーバードの教授陣の中でもマーゴリス教授はケースメソッドの達人と言われ、学生からは「議論を展開させるのが抜群にうまい」と評されている。 教育者として名高い教授に、ハーバードのケースメソッド、カリキュラムの改革、そしてリーダーとしての行動規範などについて聞いた。

(2014年6月26日 ハーバードビジネススクールにてインタビュー)

学生から最高の評価を得る秘訣

佐藤:ハーバードの学生は先生の授業を絶賛していますが、なぜ、こんなに人気があると思いますか?

マーゴリス:人気があるかどうかは別として、授業では学生が自分の力で学べるように心がけていますね。学生がクラスメートと議論をすることによって、自分自身のインサイト(洞察力)を見出していくのがケースメソッドの授業。その手伝いをするのが私の役目だと思っているのです。自分で発言することによって学ぶ、他の人の発言を聞いて学ぶ、という体験を学生にはどんどん味わってほしいです。他の大学ではまだ講義形式が主流でしょうから、これはハーバードでしか経験できない授業でしょうね。学生はケースメソッドの授業に参加することによって、とても刺激を受けているようですよ。

佐藤智恵(聞き手)1970年兵庫県生まれ。1992年東京大学教養学部卒業後、NHK入局。報道番組や音楽番組のディレクターとして7年間勤務した後、退局。2000年1月米コロンビア大学経営大学院留学、翌年5月MBA(経営学修士)取得。ボストンコンサルティンググループ、外資系テレビ局などを経て、2012年より作家/コンサルタントとして独立。2004年よりコロンビア大学経営大学院の入学面接官。ウェブサイトはこちら

佐藤:議論を通じて、「新しい自分を発見する」「こんな見方があったのかとはっとする」というのは、面白い体験でしょうね。

マーゴリス:教授が質問をしたり他のクラスメートが発言したりすると、次に自分は何を発言するべきか、深く考えますよね。その過程で自分自身の意見やインサイトを見つけていくのです。教授の質問とクラスメートの発言。この2つが強力な刺激となります。

佐藤:ハーバードの学生は「マーゴリス教授は学生が自分で答えを導きやすいように質問してくれる」と言っていました。

マーゴリス:それは嬉しいですね。まさにそれは、私が日頃から心がけていることですから。

佐藤:先生は授業で「楽天の社内英語化」を取り上げたとき、冒頭で日本人学生に「ちょっと日本語で話してみて」と頼んだそうですね。

マーゴリス:自分が全く分からない言語を話す人たちに囲まれて働くというのがどういうことか、体験してほしかったのです。社内や取引先の中には日本語が分からない外国人もいるでしょう。実際にその人たちの立場になってみたら、三木谷社長がなぜ英語化を推進しようとしているのか、理由がよく分かりますよね。議論を効果的に展開させるために、こういうちょっとした工夫も取り入れています。

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「私が186人の名前と経歴を暗記する理由」の著者

佐藤 智恵

佐藤 智恵(さとう・ちえ)

作家/コラムニスト/コンサルタント

1992年東京大学教養学部卒。NHKにて番組ディレクターを務めた後、2000年1月米コロンビア大学経営大学院留学、翌年5月MBA取得。ボストンコンサルティング、外資系テレビ局などを経て2012年独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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