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「韓国異質論」のススメ

「儒教国家群」を岡本隆司准教授と読み解く(2)

2014年11月20日(木)

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 「韓国異質論」が浮上する。京都府立大学の岡本隆司准教授と考える(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

徳治はナマの人治に

鈴置:前回の「韓国はなぜ『法治』を目指さないのか」は「中国や韓国という儒教国家は徳治を理想とするため法治に重きを置かない」というお話でした。

そして、「徳治」って言葉は美しいけれど、要は「人治」ではないのですか――と私が聞いて終わったのです。

岡本隆司(おかもと・たかし)
京都府立大学文学部准教授。1965年京都市生まれ。神戸大学大学院文学研究科修士課程修了、京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(文学)。専門は近代アジア史。多言語の史料を駆使した精緻な考証で、現代の問題にもつながる新たな歴史像を解き明かす。主な著書に『近代中国と海関』(名古屋大学出版会、1999年、大平正芳記念賞受賞)、『属国と自主のあいだ』(名古屋大学出版会、2004年、サントリー学芸賞受賞)、『馬建忠の中国近代』(京都大学学術出版会、2007年)、『世界のなかの日清韓関係史』(講談社選書メチエ、2008年)、『中国「反日」の源流』(講談社選書メチエ、2011年)、『李鴻章』(岩波新書、2011年)、『ラザフォード・オルコック』(ウェッジ選書、2012年)、『近代中国史』(ちくま新書、2013年)、『中国経済史』(名古屋大学出版会、2013年、編著)、『出使日記の時代』(名古屋大学出版会、2014年、共著)、『宗主権の世界史』(名古屋大学出版会、2014年、編著)などがある。(写真:鈴木愛子、以下同)

岡本:その通りです。特に今は、徳を標榜する儒教が公式のイデオロギーではないだけに、「徳治」から徳を引き去ったナマの「人治」になってしまいました。

 とは申しましても、「徳」そのものも極めて主観的なものです。為政者・指導者が「自分は立派だ」と思ってしまえば「徳がある」ことになってしまう。独善・偽善に陥って裸の王様になりがちです。

 それでは政治が無茶苦茶になります。だから法がそれをひとまず食い止める歯止めの役割を果たしました。「徳治」のシステムの中にだって一応、法律というものはあるのです。

「情理」が決める判決

「徳治」下で「法」は、どう運用されるのですか。

岡本:中国法制史の専門家の間では、法源――裁判官が判決を下す際の基準ですが――その1つとして「情理」という言葉が語られます。

 四文字に引き延ばせば「人情天理」とか「人情事理」とか言います。裁判記録でもよくこの「情理」が使われます。

 裁判で判決を下すなり、政府が何らかの政治的決定を下す際に、大多数の人々が「なるほどな」と納得できる判断を示す、これが「情理」です。

 法律の条文はこの「情理」によって解釈され、また変更もされるものです。敢えて日本語で言えば「大岡裁き」あたりになるでしょうか。

 法律の条文は、そういう考え方を支えるものにすぎないのです。ですから、法が最終的なよりどころではあり得ない。

 判決などが最終的に依拠するのは「情理」――人々が「この辺が正しい」と思う、コンセンサスなのです。それを上手にくみ上げる為政者が「徳あるリーダー」と見なされたのです。

鈴置:韓国の裁判は今でも「情理」が基本です。国民感情に合致しない判決を下した裁判官は、世間から非難の的になります。「民主化」で世論が強くなった分、ますます「情理裁判」の傾向が深まった感じがします。

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「「韓国異質論」のススメ」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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