• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

エコノミストの予想、「当たらないが大外しもない」理由

2014年11月25日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 早いもので11月の半ばを過ぎ、今年も残すところ1カ月と少しです。年末になると各金融機関のエコノミストあるいはアナリストと呼ばれる専門家が翌年のドル円相場を予想するのが恒例です。彼らにとって頭の痛い季節でしょう。

 誤解を恐れずに言えば、完全市場である為替マーケットの相場予想など不可能です。完全市場とは、市場に多数の売り手と買い手がいるために、市場の需給が一致する「均衡」の水準によって価格が決定される状態を指します。市場参加者が自分で価格を決定できない経済状態であり、市場を出し抜くことはできません。明日の動きは神のみぞ知る世界なのです。

 実際、エコノミストやアナリストなど専門家が相場予想を外すのは日常茶飯事です。言い過ぎかもしれませんが、彼らの中で自分の予想が当たると思っている人はほとんどいないでしょう。1、2回ぐらいは的中できても、何年にもわたって当て続けることはまずできません。むしろ彼らは的中させることより「いかに無様に外さないか」を考えているはずです。

専門家といわれる人達の予想はことごとく外れる

 実績を見てみましょう。少し前のデータになりますが、2012年12月21日のトムソンロイターの記事に、2013年前半(1月~6月)の為替相場の予想が掲載されていました。専門家の予想は下記の通りです。ちなみに2012年12月21日のレートは1ドル84円でした。

・S銀行 市場営業本部 部長 M氏82円~92円 (値幅10円)
・MU銀行 市場企画部 チーフアナリスト U氏78円~86円 (値幅8円)
・J銀行 債券為替調査部長 S氏75円~85円 (値幅10円)
・C銀行 国際為替部 マーケット・エコノミスト K氏78円~88円 (値幅10円)

 このように彼らは「翌年の末にいくらになっているか」といった、ある一点の予想を的中させるのではなく、「来年1年間、上下何円の範囲で相場が動くか」を予想します。この範囲を値幅あるいはレンジと呼びます。

 結果はどうだったでしょう。2013年初頭の1ドル87円から一気に円安が進み、5月には100円を超えました。正解は「87円~104円(値幅17円)」、専門家といわれる人達の予想はことごとく外れてしまいました。

 4人の専門家の予想値は様々でしたが共通点がありました。値幅です。3人が10円、1人が8円としています。彼らは広くもないが狭くもない値幅として10円を予想したのでしょう。

 前述の通り、「いかに無様に外さないか」を重視すると「広くもないが狭くもない値幅」を探ることになります。外さないように広い値幅を予想すると「それなら誰でも言えます」と笑われてしまいます。といって狭い値幅に絞ると大きく外してしまい「専門家のくせに」と批判されかねません。

 広くもないが狭くもない値幅としての10円を直観で出した人もいれば、計算した人もいるかもしれません。

 「計算などできるのか」と思われた方がいるでしょうが、できるのです。それには「ボラティリティ(変動率)」という指標を使います。

コメント0

「野口真人の日常経済学~カジュアル・エコノミクスの勧め~」のバックナンバー

一覧

「エコノミストの予想、「当たらないが大外しもない」理由」の著者

野口 真人

野口 真人(のぐち・まひと)

プルータス・コンサルティング代表取締役

1984年に京都大学を卒業、富士銀行に入行。1989年JPモルガン・チェース銀行入行。ゴールドマンサックス証券を経て、2004年にプルータス・コンサルティングを設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授