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ネガティブな感情を誘発する「思い込み」

  • 久世 浩司=ポジティブサイコロジースクール代表

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2014年11月25日(火)

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 女性の活躍推進施策の一つとして、「ポジティブ・アクション」があります。

 性別による男女の固定的な役割分担意識などから、男女間に「ギャップ」が生じている場合に、それを解消しようとする企業や組織の取り組みのことです。

 例えば、女性に活躍してもらいたい、継続して働いてほしい、新しい仕事にチャレンジしてもらいたいという会社側のニーズがあったとしても、「営業職に女性はほとんどいない」「課長以上の管理職は男性が大半を占めている」といった現実とのギャップがある場合、女性社員も「会社が言っていることと実際やっていることは違うではないか」と意欲が下がってしまいます。その心理的な「ギャップ」を解消するのがこの活動です。

 実は、職場における役職や給与の男女格差は、女性活用では先進的と思われている米国でも問題となっています。解消に向けて、男性と女性双方の意識改革の先頭に立っているのが、米フェイスブックCOO(最高執行責任者)のシェリル・サンドバーグ氏です。

 自身も2人の子どもをもつワーキングマザーであるサンドバーグ氏が書いた著書『LEAN IN(リーン・イン)』は、世の中が未だに男性社会であることを指摘し、世界で多くの反響を呼びました。前職がGoogleの経営幹部で、ハイテク企業に長く身を置くサンドバーグ氏は、男女平等の流れが最近になって滞っていると警戒を促しています。

 米国のある調査によると、シリコンバレーの企業において、大卒での男女間の収入の格差は40%の開きがあり、それが修士や博士号などの大学院修了レベルとなると73%に拡大することが分かっています。

 特に、ハイテク企業は長時間労働が必要なこともあるため、エンジニア職などで女性が活躍するのが困難だと言われています。主なハイテク企業での全従業員に占める女性の割合は、マイクロソフトが29%、グーグルで30%、サンドバーグ氏が在籍するフェイスブックでも31%であり、技術職はさらに低い率となっています。シリコンバレーには、まだ「Good Old Boys Club(男性中心社会を表す言葉)」が多いのかもしれません。

 サンドバーグ氏が「勇気をもって一歩前に出よう(リーン・イン)」と女性に呼びかけたのは、こうしたことが背景にありそうです。

中高年男性の生きづらさ

 女性活躍推進には必要な「ポジティブ・アクション」ですが、ときに「それは女性優遇のことですよね」「能力が同じ男女なら、女性を意識して登用することでしょう」と誤解されることもあります。その結果、活用された女性が矢面に立ち、嫉妬や羨望などのネガティブな感情を受け、ギスギスした人間関係の原因となってしまうこともあります。

 背景には、男性と女性の間にある価値観の違いがあります。男女の役割に関して「男はこうあるべき」「女性はこのようなことをすべきではない」という“べき思考”を持っている人は少なくありません。

 この価値観は、親からの影響を強く受けていることが予想されます。本人にとっては「世間一般の常識」と思っていたことが実は「我が家での常識」であったことを知らず、公の場で女性蔑視的な発言をうっかりしてしまい、痛い目に遭う人もいます。

 ジェンダー(性別)に関する価値観はかなり根深く、長年にわたり心理に蓄積・醸成されてきたものですので、すぐに変わるものではないかもしれません。個人的にはこのような価値観が本当にシフトするには、一世代かかると考えています。

 実は、この価値観には男性も悩まされています。男性は「男らしく」生きることが期待されていますが、自分の仕事ぶりや生活態度が世間一般の「男らしさ」と反する場合、自己価値が低下して「このままでは生きづらい」と悩み込んでしまうのです。

 実際、日本人の幸福度は中年から老年にかけてなだらかに下降するカーブを描いています。そして、男性は女性よりも平均的な幸福感が低く、男女格差が生じています。おそらく40~50代の男性の生きづらさが、幸福度を下げる主原因であると思われます。

 中高年の“男らしくなれない男性”にも、活躍支援が必要なのかもしれません。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官