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第九の季節に、名曲誕生のストーリーを味わう

芸術の爛熟と権力の深い関係を理解する本

2014年12月1日(月)

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 あっという間に師走になりましたね。みなさん、こんにちは。月に1度の読書コラムです。

 2日には衆院選挙が告示され、選挙戦がスタートします。政治の基本は、市民が普通にご飯が食べられ、服が着れて、安心して眠れる寝ぐらを提供し、心おきなく子供が育てられる社会をつくることだと僕は思います。

 とはいえ、それらは、国を挙げて成長しなければ実現できません。実際、過去にもそんな恵まれた時代はそれほどありませんでした。そうした視点から考えてみると、芸術はやはり独創的な一種のわがままであり「遊び」という側面を持っているので、パトロンなしでやっていけることはあまりないような気がしています。

 すると、芸術の歴史的位置づけを考える場合、時の権力との緊張関係の中で捉えるのが最もふさわしいのではないかと思います。そこで今回は、芸術と権力の関係についての理解が深まる作品を、いくつかご紹介したいと思います。

 12月のあわただしい中ではありますが、ベートーベンの交響曲第九番「歓喜の歌」が流れる季節の中で、今回ご紹介する本を読んで、芸術と権力の関係について考えていただければとても嬉しいです。

 第九の話をしましたので、1冊目は音楽から入りましょう。『「音楽の捧げもの」が生まれた晩: バッハとフリードリヒ大王』(白水社)です。

 13章からなる本書は、18世紀ドイツ(プロイセン)で活躍したクラッシック音楽の父と呼ばれる大音楽家ヨハン・セバスティアン・バッハ(大バッハ)と、時のフリードリヒ大王の一族の生涯を丹念に追いつつ、王とバッハ、そしてそれぞれの親子間の緊張関係を描いた力作です。

 クラシックが好きな方なら、バッハの「音楽の捧げもの」という名曲を聴いたことがあるでしょう。1つの主題に基づいた16作品により構成されている曲集です。この曲は1747年5月7日、バッハがフリードリヒ2世が住むベルリンのポツダム宮殿を訪ねた時、自分よりはるかに若いフリードリヒ2世からハ短調の主題を提示され「三声のフーガを作曲せよ」という難題を命じられたところ、バッハが魂のこもった素晴らしい曲をつけ、献呈したものであると言われています。

名曲から垣間見える父子の葛藤

 それだけを聞くと心温まる美談のように思えますが、本当にそうなのでしょうか。もしその主題を考えたのが、王に30年もの間仕えていたバッハの次男、エマヌエルだったらどうでしょう? そしてフリードリヒが出した無理難題の狙いとは何だったのでしょうか。本書はこうしたストーリーを、推論も交えつつ丹念に追っています。

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「第九の季節に、名曲誕生のストーリーを味わう」の著者

出口 治明

出口 治明(でぐち・はるあき)

ライフネット生命保険会長兼CEO

1948年生まれ。京都大学を卒業後、日本生命保険に入社。同社を退職後、2006年にネットライフ企画設立、代表取締役就任。2008年にライフネット生命保険に社名変更。2013年6月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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