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アマゾン合法的盗聴システムの衝撃

冷蔵庫もテレビもタダでもらう時代に

2014年12月3日(水)

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amazon echoの登場

 アマゾンは2014年11月6日に新商品を発表した。その名は、「amazon echo」(199ドル)。黒い筒状のもので、ダイソンあたりの空気清浄機にも見間違う。「いつでも待っているから、なんでも聞いてね」というこの機器は、家庭内での要望を一手に担い、それを代行するものだ。

 この「amazon echo」は、ひとの声を拾うマイクを7つも装着している。お父さん、お母さん、娘に息子、さらには祖父母が声をかけたら、彼(amazon echo)は挨拶もできる。さらに彼は家庭内の電子機器類とつながっており、またインターネットともつながっている。

 使用方法は、例えばこうだ。「明日は雨が降るかな?」「明日の降水確率は90%、傘を忘れないでください」「サンキュー」。さらには「イスラム国のことについて調べてちょうだい」「はい、ウィキペディアの情報によりますと……」「助かったよ」。あるいは「今度、ケチャップを買うこと覚えといて」「はい、奥様のToDoListに入れておきました」「スーパーへの出発前に教えてね」「もちろん、でもこのところケチャップの消費が速いようですよ」「あらら、気をつけなきゃ」。

 とまあ、最後の一文は私の追加だが、このように人間の作業/頭脳の代行をやってくれる。検索やカレンダー機能など、iPhoneのSiriは起動すると動きだすが、amazon echoはいつでもすぐそばにいる。ドラえもんは四次元ポケットでのび太の願いを叶えようとしたが、amazon echoはいつでもネットの力を借りてあなたをサポートしてくれるのだ。

 amazon echoを紹介したYouTubeのビデオでは、この機械に呼びかける場合と家族に呼びかける場合の違いをつけるために、彼に「Alexa(アレクサ)」という名前を付けている。この擬人化によって、amazon echoは家族の一員となるというわけか。ビデオでは、「Alexa! Stop (music).」だとか「Alexa, what time is it?」などと家族から話しかけられている。また、amazon echoはかなり遠いところから話しかけても認識してくれる機能(far-field voice recognition)を有している。

 この時点では購入のためには招待状をリクエストすることになっている。そのため、テストマーケティングの位置づけになる。ただ、これが本格的に広がったときのアマゾンのメリットは十分にある。

amazon echoとamazon Dash

 似たような製品にamazon Dashがあった。これは、WIRED誌が「アブないほど簡単に買い物ができる」と称したツールだ。amazon Dashはamazon echoと同じく、細長い形状をしている。用途は、口頭で食料品をオーダーできるもので、あるいは商品のバーコードを読みこめば同じものを注文できる。アマゾンはこのamazon Dashと新サービスの「amazon Fresh」をつなげた。amazon Freshとは生鮮食料品の販売サイトだ。amazon Freshを紹介したサイトでは、母親が子どもを抱っこしながらamazon Dashを用いて注文する姿や、キッチンで作業しながら口で指示する姿などが公開されている。家事は時間と手間とコストがかかるものだが、それをアマゾンは買い物時間の短縮化という形で貢献しようとしている。

 アマゾンの攻勢は、amazon Dashにとどまらないようだ。同社の、攻め止めない姿勢に常に私は感心する。このamazon echoは対象を消費者の家族にまで延長したようだ。数カ月前に、アマゾンは家庭内にセンサーを設置して、家中の様々な不足を伝達するサービス(例えば換気扇フィルターがそろそろ交換時期だと教えてくれるサービス)をテストしていると伝えられた。それが、このamazon echoだったのかは分からない。ただ、同社は単なるIT企業ではなく、巨大な小売サイトと倉庫を持っている強みを十分に活かそうとしているらしい。携帯電話やタブレットとの連携、さらにはDash、echoといった機器類でも、ひとびとの消費活動全体を覆おうとしている。

 かつて携帯電話が流行した際に、「自分の頭で覚えている番号がほとんどない」ことにひとびとは驚愕した。ワープロやパソコンの文章作成ソフトが登場して「漢字が書けなくなった自分」に恐懼した。しかし、電話をかける際には、すくなくとも番号を見た。漢字が書けなくなっても、すくなくとも画面上の漢字を見た。その一方、amazon echoを使えば、彼が勝手につないでくれるから、タイピングの必要も、画面を見る必要すらない。

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「アマゾン合法的盗聴システムの衝撃」の著者

坂口 孝則

坂口 孝則(さかぐち・たかのり)

調達・購買コンサルタント

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。調達・購買関連書籍23冊を上梓。2010年、調達・購買コンサルタントとして独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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