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葬儀の度に檀家が減っていく

世界遺産の地で起きる「平成の法難」(下)

2014年12月17日(水)

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邑南町日貫の宝光寺

 「葬式をやる度に檀家が減っていくんです」

 島根県の山間部、邑南町日貫(おおなんちょうひぬい)集落にある宝光寺住職、山本昌利さん(59歳)はそう話し始めると、ため息をついた。

 この集落では独居老人が人口の3分の1と高い割合で占め、独居状態の檀家が亡くなれば、そのまま寺との縁が絶えてしまうことが多いという。その檀家に子供や親族がいたとしても、親の遺骨を引き取り、自分たちが暮らす都会の霊園に納骨してしまう。

 そうして山本さんが住職になって、この20年で10軒以上の檀家が消えていった。

 現在、宝光寺の檀家数は71軒。ここ数年は加速度的に減少しているという。

 「それでも頑張って(20年間で)2軒増やしたんですよ。しかし、限界があります」

もののけ姫の世界

 その昔、この界隈はたたら製鉄で栄えた。宮崎駿監督の映画『もののけ姫』にも出てくる、日本古来の製鋼法だ。ふいご(=たたら)を踏んで空気を送り、砂鉄を玉鋼にしていく。江戸時代はこの製法で数多くの名刀が生み出された。1000年以上も歴史があるとされる、たたら製鉄の本場が、ここ日貫を含む石見地方なのである。

 石見地方は江戸時代、津和野藩と浜田藩の2つに分かれていた。日貫は津和野からははるか東方にあるが、浜田藩より先に国造りが進んだ津和野藩が、たたら製鉄の拠点である日貫地区を真っ先に組み入れた史実がある。この辺りは江戸時代における、経済と防衛の要であった。

 だが明治以降、近隣の石見銀山が閉山し、西洋から入ってきた近代製鉄法がこの日本固有の製鉄を脅かし、石見地方は衰退の一途をたどってゆく。産業を失ったムラからは若者が去り、高齢者ばかりが残った。

 「世界遺産のブームもここいらはあまり関係ないですね」

石見銀山の坑道跡

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「葬儀の度に檀家が減っていく」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

日経おとなのOFF副編集長、浄土宗僧侶

京都市景観市民会議委員(2016年)、佛教文化学会会員。 1974年生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社へ入社。2005年日経BP社に入社。日経ビジネス記者などを歴任。2016年4月より日経おとなのOFF副編集長。浄土宗僧侶の顔も持つ。正覚寺副住職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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