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問題山積の米国制度、良い国は絶対まねをしてはいけません!

米国人すら問題視、制度直輸入からの脱却を

2014年12月9日(火)

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 近年、日本の上場企業のコーポレート・ガバナンス(企業統治)制度が劇的に変化してきています。法律が何度も改正され、企業は透明性、情報共有、経営目標の明確化について考え方を改めてきました。これは、日本的経営における大きな進歩です。コーポレート・ガバナンスは、大企業の経営陣が、個人や企業内ではなく、株主などの利害関係者の権益を反映しているか、監視し、査定する制度全般を指します。

 それらを踏まえたうえで、外国人の私から見ると、日本がより発展するためには、2つの大きな改善すべき分野があると思います。まず、明示的にも暗黙的にも、新しく作られている日本の制度は、常に米国の制度と比較されています。しかし実は、米国のコーポレート・ガバナンス制度は欠陥が多いため、米国人でさえ、それが模倣されるべき制度だと考える人は滅多にいないことを、読者はご存じでしょうか。

 安易に米国や英国などのアングロサクソンの制度を真似するのではなく、違う国の統治形態、例えばドイツの取締役会などの方が、より良い制度であり、もっと日本に合うかもしれません。

 そもそも、日本のコーポレート・ガバナンス改革では、米国はもちろんのこと、他国と同じような制度を目標にするべきではありません。日本にとって転換期である今こそ、他国がまねしたくなるような、優れた制度をつくるチャンスなのです。

 2つ目の改善分野は、新しい法律を日常に浸透させる工程です。社外取締役に関する規制などが改正されても、多くの企業では、昔ながらのしきたりが残っています。例えば、多くの企業では、取締役会が毎月開かれ、社内社外関係なく、取締役はいまだに、財務諸表を確認したり、経営改善案を聞かされたりするそうです。しかし、取締役会の本来の役割は戦略的決断をし、企業がどう競合していくか助言をすることです。日本の取締役会議が新しいマインドセットに適応していかない限り、法律を改正しても企業の根本的変革を引き起こすことはできません。これら2点について、順番に詳しくお話しましょう。

ベンチマークの選択ミス:米国の影響

 1990年代中頃、日本のコーポレート・ガバナンス改革が始まった当初、多くの目標基準は米国を参考に決められていました。この大きな理由は、改革を推進していた日本の官僚と学者の多くが、米国で法律、経済、経営を学んでいたからです。

 このため例えば、日本にとってよりふさわしいであろう、ヨーロッパの敵対的買収防衛策などではなく、米デラウェア州会社法の毒薬条項(ポイズン・ピル)のような、いかにも米国らしい法制度が日本に導入されたのです。今現在の社外取締役制度も、同じように米国の影響を受けています。

 またこれには、在日米国商工会議所を含めた外圧など、日本の改革をうるさく要求してきた米国勢力からの影響もあるでしょう。日本の初期の改革の多くは、米国人をなだめる目的もあったはずです。確かに、最近の日本は、(投資家の行動規範を定める)英国のスチュワードシップ・コードや、経済協力開発機構(OECD)の基準など、模範とする制度を明示的に広げてきています。

 しかし、英国もアングロサクソンの国であり、そしてOECDは米国の考え方に支配されているかもしれません。そもそも、日本の改革の進展を評価するための比較基準は、いまだに米国である場合がほとんどです。

コメント10件コメント/レビュー

日本の取締役会(執行役会を設置している企業は聞いた事がない)は無能揃いですが、その分給料も安い(欧米に比べれば)ので、必ずしも悪い制度ではない気もします。(2014/12/26)

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「問題山積の米国制度、良い国は絶対まねをしてはいけません!」の著者

Uシェーデ

Uシェーデ(うりけ・しぇーで)

米UCサンディエゴ大学教授

日本型経済・経営および経営戦略論の権威。主な研究領域は、日本を対象とした企業戦略、組織論、金融市場、政府との関係、企業再編、起業論など。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

日本の取締役会(執行役会を設置している企業は聞いた事がない)は無能揃いですが、その分給料も安い(欧米に比べれば)ので、必ずしも悪い制度ではない気もします。(2014/12/26)

日経も油田やんのファンですし。。。 その日経をバイブルにしている経営者がドツボに嵌るのは当然かと。(2014/12/18)

日本は企業も長いものに巻かれろ的体質が強い。ドイツは中小企業の業績が良いと聞く。何故なら高付加価値化、差別化を図ってるからだ。ドイツには特定の分野で圧倒的世界シェアを有する隠れたチャンピオン企業が1200社もあると聞く。寧ろ大企業より中小企業の方が気付加価値化してるという。日本の場合は多くの企業は価格競争力つまり安売りを重視する、ドイツは価格競争力を上げる企業は少ない。日本企業は他社がやるから我が社も参入しようとする。ドイツはの場合は他社と過当競争を避ける傾向にある事、効率的に働こうとする精神がある。従業員もなんとしても定時に帰ろうといかに効率的に働くかという工夫する物凄い意気込みがある。彼らから見たら日本企業は無駄が多すぎるように見えるだろう。生産性が高いから、人件費も高い、差別化し付加価値も高いから為替変動にあまり左右されない。日本のコンビニ、牛丼屋のような安売り産業は少ない。(2014/12/09)

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