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再エネと顧客サービスに軸足を移す欧州の巨人

エーオンの歴史的な事業革新プラン

2014年12月12日(金)

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 欧州最大のエネルギー会社エーオン(E-On)は、11月30日に、火力・原子力等の従来発電部門等を新会社に分離・独立させる(スピンオフ)、親会社は再生可能エネルギーと顧客サービス関連部門に集約するとの方針を発表した。スピンオフ方式の事業再編は、株主総会の承認を経て2016年より実施される。

 欧州の大手エネルギー会社は、卸市場価格の低下、販売数量の減少に直面しており、経営が悪化している。特に従来型電源の発電事業は苦境に立っている。こうしたなかで、ドイツを主に世界規模で事業を展開するエーオンは、大胆な事業革新プランを発表した(資料1)。

資料1.エーオンの事業再編概念図
(出所)E.ON

従来型発電を移し、再エネと顧客周りに集中

 新会社(子会社)は、【1】従来発電事業(火力、原子力、水力)、【2】国際エネルギー資源取引(グローバル・エネルギー・トレーディング)、【3】資源開発・生産事業の3事業を行う。2013年度の決算では、利払い前償却前税引き前利益93億ユーロのうち35%は【2】に属する。昨年度末の職員数は6万2000人であるが、新会社には2万人が移行する。本社はライン・ルール地方に置かれる。

 スピンオフ後に残る「新生エーオン」(親会社)は、再生可能エネルギー、配電事業(顧客周りネットワーク)、顧客サービスにフォーカスする。再エネ事業と配電事業で利益の54%を占めている。4万人の社員がここに配置される。風力・太陽光の投資を増やしていく方針である。

 同社の顧客数は3300万軒を誇るが、本年度は久方ぶりに増加する見通しであり、サービス充実の成果と自信を深めている。配電線は60万kmにも及ぶ。発電量の11%は再エネであり、容量は約1000万kWである。

 新戦略を進めていくために、2015年の設備投資額を当初予定の43億ユーロからさらに5億ユーロ増額する。重点分野は、風力事業の拡大、ドイツとトルコの配電網のアップグレード、省エネ等顧客への新規サービス対策としている。

 スピンオフ方式で事業再選を行わざるを得ない背景について、同社CEOのヨハネス・テイセンは、「【1】劇的に変わるグローバルエネルギー市場、【2】急速に進む技術革新、【3】多様化する顧客志向、という奔流の中では、エーオンの川上から川下まで取り込む広いスパンのビジネスモデルはもはや続けられない」と説明する。また、このスピンオフは「大胆な新しい経営の始まり」と位置付けている。

 また、「二つの独立した会社は、環境激変により性格が異なってしまった事業を担うが、各々が明確なプロファイルとミッションをもっており、両社ともに生き延びていける。雇用確保の面でベストな方法であると固く信じる」としている。新戦略は雇用カットプログラムではないことを強調している。

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「再エネと顧客サービスに軸足を移す欧州の巨人」の著者

山家 公雄

山家 公雄(やまか・きみお)

エネルギー戦略研究所所長

日本政策投資銀行でエネルギー、環境などの融資・調査を担当。2009年からエネルギー戦略研究所で再生可能エネルギ-、スマートグリッドなどを研究。中立的なエネルギー・シンクタンクを心がけている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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